- 業種
- データ販売
専門性の高いメディアライブラリサービスにおけるSEO戦略の成功事例
提供サービス
- SEOコンサルティング
- 課 題
- サイトの本来の利用者が使用するキーワードによる流入を獲得できていない
- 適切でないキーワードからの流入が多い
- コンバージョン率(コンテンツの購入や会員登録)が低い
- 改善結果
- サービス関連のキーワードからの自然検索流入が前年比149%増加
- 平均セッション時間が5分24秒に延長
- CV率(注文完了)が向上
写真や映像を提供するサービスとして、SEO面で重要な課題を抱えていました。主なサイトへの流入が、サービスの本質とは関係の薄いキーワードによるものが多く、結果としてコンバージョン率が低迷していました。この状況を改善するため、以下の包括的なSEO戦略を実施しました。
ユーザーの検索意図に基づいたキーワード戦略の再構築
まず、既存の流入キーワードを詳細に分析しました。特定の人物名や、一般ユーザーの興味本位の検索語が上位を占めており、サービスの利用者になりうる法人ユーザーのニーズとマッチしていませんでした。
そこで、「〇〇写真」などの業界特化型キーワードや、「〇〇写真 購入」といった具体的なニーズを反映したキーワードの対策に注力しました。さらに、ブランド名を含む指名検索にも対応するため、最適な表記方法(カタカナと英語の併用など)も実装しました。
メタタグとコンテンツの最適化
次に、titleタグやmetaディスクリプションを、本来サービスとして流入してほしいユーザーが用いる検索キーワードという観点からトップページのタイトルをサービスの本質をより明確に伝える内容に変更するなど、新たなキーワード戦略に基づいて全面的に見直しました。
同時に、サイト内のコンテンツも再編成しました。新着コンテンツのセクションを前面に出し、新着コンテンツに関するパーツを設けて表示することで、検索エンジンとユーザーの両方に対して、サイトの主要な価値の提案を明確に示しました。
内部SEOの改善
サイトの性質上多くの画像ファイルが掲載されているため、画像のAlt属性の最適化も重要な施策でした。それまで設定されていなかったAltタグに、画像の内容を適切に説明するテキストを追加しました。これにより、画像検索からの流入も増加しました。さらに、サイト内の内部リンク構造も改善しました。関連する写真やコンテンツ間のクロスリンクを強化し、ユーザーの回遊性を高めると同時に、検索エンジンのクローラーがサイト内をより効率的に巡回できるようにしました。
ユーザビリティ&ユーザーエクスペリエンスの向上
最後に、ユーザビリティとユーザーエクスペリエンスの改善にも取り組みました。特に、非会員でも一定レベルまでコンテンツのプレビューが可能になるよう改善し、ユーザーの購買を促進するための施策を実装しました。また、関連コンテンツへのリンクを追加するなど、サイト内での回遊性を向上させる施策も実施しました。
これらの総合的な施策の結果、目覚ましい改善が見られました。Google Search Consoleのデータによると、サイトの表示回数は前年比149%増加し、適切なユーザー層からの流入が大幅に増えました。さらに、Google Analyticsのデータでは、平均セッション時間が5分24秒(前年比568%増)に改善し、ユーザーエンゲージメントの大幅な向上が確認されました。
コンバージョンの劇的な改善
最も注目すべき成果としては、コンバージョン率の劇的な改善です。新規会員登録のCV率は0.41%に、そして実際の最終的なコンバージョンにつながる完了のCV率は10.50%まで向上しました。
この事例は、専門性が高くニッチなB2Bサービスにおいても、SEO戦略を適切に行えば大きな効果を生み出す例です。特に、ユーザーの検索意図を深く理解し、それに基づいたキーワード戦略とコンテンツ最適化を行うことの重要性が浮き彫りになりました。また、内部SEO対策の改善とユーザビリティの向上を組み合わせることで、単なる流入増加だけでなく、実際の成果(コンバージョン)につなげられることも証明されました。