更新日: 2024.09.02
ホームページ制作担当者がサイトをリニューアルするときに、必ず作成する『ワイヤーフレーム(=構成案)』ですが、効果の出るホームページを作るためにはやみくもにワイヤーフレームを作るのは推奨できません。
なぜなら、同じコーポレートサイトという分類でもその業種やコンテンツ内容によって、見ているユーザー層や、遷移パターンが大きく異なるためです。
Google Analyticsを利用し、定量的なロジックに基づいて、どの指標(ポイント)を見ればそのホームページに合った良いワイヤーフレームが作れるのかをご紹介します。
目次
https://analytics.google.com/analytics/web/provision/
いざホームページをリニューアルしようとするときに、まずGoogle Analyticsを確認して”現在のサイトの状態”を把握しておきましょう。
例えばダイエットをしようとする際に、現在の自分の体重を量らない人はいないと思います。それと同じ考えで、リニューアル前のホームページの情報を知ることはとても重要です。
現状を知ることで、定性的(見た目)な部分ではわからなかった部分を、定量的(数値的)な側面で可視化でき、ワイヤーフレームに改善点として反映することで「リニューアルして意味があった」ホームページにすることができます。
では、実際にワイヤーフレームを作成する際には、どんな指標を見ればよいのでしょうか?
本来的にはサイトの目的やユーザー層、またホームページの種別や規模などによって、複合的に分析を進めるのですが、今回の記事では、弊社のコンサルタントが必ず確認する項目を3つほどご紹介します。あまり分析ツールに馴染みがないという初心者の方でも、この3点は是非覚えていただきたいポイントです。
トップページはほとんどの場合、下層ページへの遷移を促す役割を果たす為のページとなりますので、一般的に滞在時間が長過ぎるのは良い傾向とは言えません。
滞在時間が長いということは、“ユーザーが必要としている情報が見つからずに迷っている”可能性が高いので、トップページでは、“どこにどんな情報があるのか”をわかりやすくする必要があります。
現状、様々なコンテンツが煩雑に配置されている場合は、目的別などグルーピングし、視認性を向上させるなど配置を工夫する必要があります。
ただし下層ページの場合、コンテンツ系の情報量が多いページにおいて滞在時間が長いとそれだけ長く見られているということになるので必ずしも「滞在時間が長い=悪い」ということではありません。
ページビュー(PV)数で、おおよそのページに対するユーザーのニーズを測ることができます。
一般的にPV数が多いということは、そのページがよく見られているページになります。PV数が多いページであるにも関わらず、導線が目立っていない場合は、Google検索などでオーガニック流入している可能性があり、ユーザーニーズが高いページであると思われます。現状、ホームページ内で回遊しにくい位置にPV数が安定して高いページがある場合は、目立つ位置に配置する必要があるのか検討してみてもよいかもしれません。(※必ずしもPV数が多いからといって、目立たせる必要があるというわけではありません)
トップページからユーザーが次に見るページを把握することで、ユーザー心理の動きを見ることができます。
「トップページの次にどんなページを見ているか?」という情報は、言い換えれば、“ホームページに来たユーザーがどんな情報を欲しているのか?”を知るヒントになります。
※上記画面はGoogle Analyticsサイドメニューの「行動」→「行動フロー」より
例えば、上記キャプチャでは、トップページ→会社案内ページ(次点で実績ページ、採用サイト)の順で遷移している人が多いので、
・求職者が会社の情報を求めている
・発注検討しているうえでどのような会社、実績があるのか把握しておきたい
などとユーザーの頭の中を推測することができます。
ニーズが分かれば、それを発見しやすい位置に配置してあげましょう。
発見しやすい位置とはつまり
・ヘッダー
・グローバルナビゲーション内
・ページの上段
などです。
ただし、必ずしも一番上に配置することが良いとは限りません。企業側が発信したい情報を抑えてまで、大きく配置する必要はないためです。
例えば、「アクセス」ページへの遷移が多いからと言って、メインビジュアルで訴求する必要はありません。この場合なら、グローバルナビゲーション内に、他とは異なる配色で、見つけやすくしてあげる、など、工夫する必要があります。ユーザーが発見しやすいデザインとは、必ずしも上部への配置や大きく配置することだけではないため、注意しましょう。
※上記画面はGAサイドメニューの「ユーザー」→「行動」→「新規顧客とリピーター」より
上段の「New Visitor」が新規ユーザー、「Returning Visitor」がリピーターとなります。
ホームページ来訪者で、リピートユーザーが多ければ、更新性のあるコンテンツをしっかり訴求しましょう。
ニュースやリリース、ブログなど、前回来訪したときと代わり映えしないホームページと思われると、せっかく関心のあるユーザーがあなたのホームページへのアクセスに定着せず離れていく原因となり損です。リピート定着し、ファンになってもらう(=最終的にコンバージョンに結びつける)ため、しっかり更新性のある“生きているホームページ”であるとアピールしましょう。
もし、ワイヤーフレーム作成時にオウンドメディアコンテンツ(ユーザーにとって有益な情報等を発信しているブログ等)などの要素がページ内にあったら、リピーター獲得のため目立つ位置に配置してよいかもしれません。
プラスアルファで、GAでセグメントを区切って、傾向に差異があるのか確認できると、より良いでしょう。
例)新規/リピーターで、コンテンツ好みの差はあるか。
今回ご紹介したのは、ワイヤーフレーム作成時に確認するべきポイントのうち、ほんの一部分ではありますが、簡易的にでも情報を把握しておくことで、ワイヤーフレーム作成時の優先順位などつけやすくなるかと思います。
もちろん、Google Analytics上の定量的なデータだけでは「なぜこのページはこんなにアクセスがあるんだ?」とわからない部分も出てくるかと思いますので、そんなときは実際のページのデザインを見てみると思わぬ部分に原因があることもあります。
Google Analyticsを用いた定量的な分析と、実際のデザインやUIの視点での定性分析の2つの視点をうまく組み合わせて、より効果的なサイト設計を目指しましょう。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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