WEB広告の2種類の目的:獲得と認知の効果的な使い分けと戦略

更新日: 2024.11.21

WEB広告における「獲得」と「認知」の基本的な違い

WEB広告における「獲得」と「認知」は、まったく異なるアプローチと評価指標を必要とする広告目的です。獲得型広告は、直接的な商品販売やサービス申し込みなど、具体的なアクションの促進を目指します。その特徴は、明確な数値目標を設定でき、短期的な効果測定が可能な点にあります。例えば、ECサイトでの商品購入数や資料請求数といった具体的な成果を重視します。
一方、認知型広告は、ブランドイメージの構築や商品・サービスの認知度向上を目指すものです。直接的な売上への貢献よりも、より多くのターゲットユーザーへの接触を重視します。効果は長期的な視点で測定する必要があり、即時的な成果を求めることは適切ではありません。
これらの目的の違いは、KPI設定にも大きく影響します。獲得型広告では、コンバージョン率や費用対効果(ROAS)が重要な指標となります。対して認知型広告では、リーチ数やエンゲージメント率、広告想起率などが主要な評価指標となります。この違いを理解し、適切な目標設定を行うことが、効果的な広告運用の第一歩となります。

獲得を目的とした広告戦略

獲得を目的とした広告戦略では、具体的な商品やサービスの価値を明確に訴求することが重要です。ターゲットユーザーが抱える課題や悩みに対して、自社の商品やサービスがどのように解決策を提供できるのかを、具体的かつ説得力のある形で提示する必要があります。
広告クリエイティブにおいては、商品の特徴や価格、限定オファーなどの具体的な情報を前面に押し出します。また、「今すぐ購入」「無料で相談」といった明確なコールトゥアクションを設定し、ユーザーの行動を促します。特に重要なのは、ランディングページとの整合性です。広告からの導線でユーザーがストレスなく購買やお問い合わせまでたどり着けるよう、綿密な導線設計が必要です。
予算管理においては、コストパフォーマンスを重視した運用が求められます。獲得単価(CPA)を常にモニタリングし、効率的な予算配分を行うことで、投資対効果を最大化します。また、リマーケティングの活用も効果的です。一度サイトを訪れたユーザーに対して、より具体的なオファーを提示することで、コンバージョン率の向上を図ることができます。

認知を目的とした広告戦略

認知を目的とした広告戦略では、ブランドの世界観や商品・サービスの本質的な価値を伝えることに注力します。短期的な販売促進ではなく、ターゲットユーザーの心に長く残る印象的なメッセージを届けることが重要です。そのため、広告クリエイティブでは、商品の機能や価格といった具体的な情報よりも、ブランドストーリーや感情に訴えかけるビジュアル、印象的なキャッチコピーを重視します。
配信設定においては、できるだけ多くの潜在顧客との接点を創出することを目指します。ただし、やみくもに広く配信するのではなく、将来的な顧客となりうる質の高いユーザー層に確実にリーチすることが重要です。そのためには、デモグラフィック属性だけでなく、ライフスタイルや価値観などの質的な要素も考慮したターゲティング設定が必要です。
効果測定においては、即時的な数値化が難しい面もありますが、視聴完了率やエンゲージメント率、ブランドリフト調査などの指標を活用することで、認知度向上の効果を段階的に検証していきます。これらの指標を総合的に分析することで、長期的な広告効果の測定と改善が可能となります。

広告プラットフォーム別の使い分け方

各広告プラットフォームには、それぞれの特性があり、獲得と認知の目的に応じて効果的な活用方法が異なります。Google広告では、検索広告が獲得目的に特に効果を発揮します。ユーザーの能動的な検索行動に基づいてアプローチできるため、購買意欲の高いユーザーへの訴求が可能です。一方、YouTubeなどの動画広告は、ブランドストーリーを視覚的に訴求できることから、認知目的に適しています。
SNS広告においては、FacebookやInstagramが両方の目的に対して高い効果を発揮します。詳細なターゲティング設定により、認知拡大と獲得の両方に対応できます。ただし、プラットフォームの特性上、ユーザーの利用シーンに合わせたクリエイティブ設計が重要です。例えば、Instagramでは視覚的なインパクトを重視した広告が効果的です。
ディスプレイ広告は、主に認知目的での活用が効果的です。大規模なリーチが可能で、ビジュアルによるブランディング効果が期待できます。ただし、コンテキスト配信やリマーケティングを組み合わせることで、獲得目的での活用も可能です。

獲得と認知の組み合わせ戦略

効果的な広告運用のためには、獲得と認知の両方の目的を適切に組み合わせることが重要です。ユーザーの購買行動は一直線ではなく、認知、興味、検討、購入という段階を経るため、各段階に応じた適切なアプローチが必要です。例えば、認知施策で広くリーチしたユーザーに対して、その後獲得目的の広告を配信するといった段階的なアプローチが効果的です。
クロスプラットフォームでの展開も重要な戦略です。例えば、SNSでブランドの世界観を訴求しながら、検索広告で具体的な商品情報を提供するといった組み合わせにより、相乗効果を生み出すことができます。また、リマーケティングを活用することで、認知段階のユーザーを徐々に獲得へと導くことも可能です。
予算配分においては、商品やサービスの特性、市場環境、競合状況などを考慮し、両目的のバランスを取ることが重要です。新規サービスの場合は認知目的の比重を高く、既存サービスの場合は獲得目的の比重を高くするなど、状況に応じた柔軟な調整が必要です。

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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