更新日: 2025.03.28
「金融業界でWEB広告って、やっぱり難しいのかな…」
そんな不安を感じている方、多いのではないでしょうか?
たしかに、金融業界のWEB広告は、厳しい規制やユーザーからの信頼性の確保が求められる分、やみくもに出稿するだけでは成果に結びつきません。
しかも、広告代理店に任せても「費用だけかかって成果が出ない」「担当者が金融のことを分かっていない」といった声もよく聞きます。
つまり、業界特有の背景を理解した戦略設計と、適切な運用体制がないと、成功は難しいのです。
この記事では、実際に多くの金融機関が実践しているWEB広告の成功法則を、初心者の方でも分かりやすく解説しています。
こういった疑問をひとつずつ丁寧に紐解きながら、成果につながる具体的な施策と、やってはいけないNG例まで盛り込みました。
金融業界でWEB広告を始めようとしている方や、すでに始めていて「なかなか成果が出ない」と感じている方は、ぜひ読み進めてみてください。
目次
金融業界でWEB広告を展開する際、他業界と比べて特に注意すべき点が「規制の厳しさ」と「顧客の信頼の重さ」です。広告の内容ひとつが信頼性を損ねる要因になりかねず、結果的にブランド価値にも大きな影響を及ぼすことも。成功のカギは、業界特有の広告ルールを深く理解し、そのうえで誠実かつ明瞭なコミュニケーションを設計すること。単なる「出稿」ではなく、「信用を育てる広告戦略」が不可欠なのです。
金融業界の広告には、他業界と比べて明確かつ厳格なルールが存在します。たとえば、金融商品取引法や銀行法、保険業法といった法制度に加え、証券業協会や日本FP協会が定めるガイドラインも遵守しなければなりません。
たとえば、過度な表現や事実と異なる表記、「確実に儲かる」「ノーリスクで資産が増える」などの断定的な言い回しは禁止されています。さらに、手数料やリスクの説明を省略したまま広告を出すと、法令違反とみなされるリスクもあります。
広告を作成する側は、これらの規制に対して“感覚的”ではなく“体系的な知識”を持つ必要があります。ここを軽視していると、せっかく良いクリエイティブでも公開停止や行政指導の対象になることもあるのです。
金融業界でのWEB広告において最も重要なのは、「信頼される表現」です。ユーザーの多くは、「この会社にお金を預けて大丈夫か?」という視点で広告を見ています。
たとえば、派手な演出や感情に訴えるだけのコピーは、逆に「怪しい」と思われてしまう可能性があります。だからこそ、数字の根拠を明示したり、専門家監修の記載を入れたり、客観的なデータを使ったりと、安心感を醸成する構成が求められるのです。
さらに、バナーや動画などのビジュアルでも「清潔感」や「誠実さ」を表現することが大切です。派手な装飾や目を引く演出は、短期的にはクリックを集めるかもしれませんが、長期的に信頼を築くという目的にはそぐわないこともあります。
一言で言えば、信頼を得る広告は、まず“誠実”でなければならない。それが金融業界で成果を出すWEB広告の原則です。
金融業界で成果を出している企業の多くは、ターゲットや目的に合わせて複数の広告手法を使い分けています。
単一の手段に頼るのではなく、ユーザーの行動段階に応じて最適なアプローチを組み合わせることで、高いパフォーマンスを生み出しているのです。
ここでは、金融業界で特に効果が高いとされる5つのWEB広告手法を取り上げ、それぞれの強みや活用シーンを解説します。
「今すぐ○○したい」という強いニーズを持つユーザーに向けてピンポイントにアプローチできるのが、リスティング広告の魅力です。たとえば「NISA おすすめ証券会社」「住宅ローン 比較」など、すでに関心が高まっているキーワードで検索したユーザーに表示できるため、成果(CV)につながりやすいのが特徴です。
金融業界では、投資・保険・融資など、検討フェーズが明確なジャンルが多く、リスティング広告と非常に相性が良いです。
ただし、金融系のキーワードは競合が多いためCPC(クリック単価)が高くなりがち。だからこそ、広告文やLPの最適化が重要になってきます。
「この広告、本当に信頼できる?」という心理に配慮し、わかりやすく・誠実な表現を心がけましょう。
ディスプレイ広告や動画広告は、「今すぐ申し込む」という状態ではないユーザーに対して、サービスの存在を知ってもらう手段として効果的です。特に金融サービスは、購入までの検討期間が長く、複数回の接触が必要なジャンル。だからこそ、**視覚的な訴求による「印象付け」**が成果に直結します。
たとえばYouTube広告では、資産形成の考え方を短尺の動画で伝えるなど、啓蒙的なコンテンツが人気です。リターゲティング機能と組み合わせれば、サイトを訪問したけれど申し込まなかったユーザーにも再アプローチが可能です。
注意点としては、ただ再生数を稼ぐだけでは意味がありません。「信頼感を与える表現」「実績の明示」「わかりやすさ」の3つを軸に、教育・共感・誘導のバランスがとれた動画やバナーを設計しましょう。
SNS広告は、ユーザーの興味関心に基づいた高度なターゲティングが可能な点が魅力です。とくに若年層やスマホ中心の層には、InstagramやX(旧Twitter)などを通じた広告配信が有効です。
「親しみやすさ」と「信頼性」を両立するコピー・デザインが必要不可欠であり、誤解を生まない表現に注意を払う必要があります。また、金融系は「怪しい」と感じられやすいため、実名スタッフの顔出しやストーリー仕立ての広告が効果を発揮することもあります。
さらに、LINE広告を活用したセミナー誘導や資料請求キャンペーンも実績があります。SNS広告は“売る”のではなく、“関係性をつくる”つもりで設計するのがコツです。
アフィリエイト広告は「申し込み」や「口座開設」など、成果が発生して初めて報酬が発生する成果報酬型の広告です。無駄な広告費が発生しない点から、金融業界でも導入が進んでいます。
金融系アフィリエイトは、専門性の高いアフィリエイター(個人ブロガーやメディア)が自ら商品を紹介するケースが多く、信頼性が伝わりやすいというメリットがあります。
一方で、規制遵守の観点から、誤解を招く表現や誇大広告を行うアフィリエイターの存在がリスクにもなりえます。そのため、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)や広告代理店と密に連携し、掲載内容の監視と品質管理を行う体制が求められます。
ネイティブ広告とは、ニュースサイトやオウンドメディア上で“記事のように見える広告”を展開する手法です。金融商品のように複雑なサービスに対して、「時間をかけてじっくり理解してもらう」導線が作れるため、非常に相性が良い広告形式です。
たとえば「老後資金をどう準備する?」といったテーマで記事を組み立て、その中で自社の保険や投資サービスを紹介する、といった形です。読者に「押しつけ感」を与えず、自発的なアクションを促せるのがポイント。
他業界と違い、金融では“即決”より“納得”が重視されるため、信頼獲得→比較検討→申込というステップに自然につなげやすいのが大きな魅力です。
ただし、記事内容の信頼性が極めて重要なので、専門家の監修や統計データの引用など、内容の質を担保する工夫が欠かせません。
金融業界においてWEB広告のパートナーを選ぶとき、代理店選びの善し悪しがそのまま成果を左右すると言っても過言ではありません。
「とりあえず実績が多いところ」「知名度が高いから安心」といった理由で選んでしまうと、あとで「こんなはずじゃ…」という事態にもなりかねません。
特に金融業界は広告規制や専門知識が必要な領域。
“業界理解×戦略性×対応力”の3点が揃った代理店を選ぶことが、広告成功の大前提です。
ここでは、実際に比較すべき具体的なポイントを整理しながら、後悔しないための判断基準をまとめてご紹介します。
比較ポイント | チェックすべき内容 |
---|---|
金融業界での実績 | 類似案件の運用経験、コンバージョン実績、業界理解の深さ |
担当者の専門性 | 金融知識・広告運用スキル・対応力(提案と実行を同じ人がやるか) |
サービス内容の透明性 | 運用代行だけでなく、戦略立案や改善提案も含まれているか |
コスト構造と契約条件 | 初期費用・手数料率・最低出稿金額・成果報酬などの詳細 |
サポート体制と連携のしやすさ | レポート提出頻度、社内共有用の資料作成、MTGの柔軟性など |
「金融業界に強い代理店です」と書いてあっても、本当に信じていいの?と思ったことはありませんか?
見極めるコツは、表面的な実績数ではなく、“どんな案件でどう成果を出したか”を確認することです。
たとえば、リスティング広告でのCPA改善実績や、金融機関向けにコンテンツSEOで成果を出した例など、具体的なケーススタディが紹介されている代理店は信頼性が高いです。
また、「担当者が実際に金融商品の取り扱いや販売経験があるか?」という視点も大事。
金融知識が浅いままだと、リスク表現の規制やユーザー心理への理解が甘く、誤った訴求になりやすいからです。
案件の開始前に無料相談や戦略提案を受けてみて、「この人、ちゃんと分かってるな」と感じられるかどうかも、大事な判断材料です。
広告代理店を選ぶとき、「結局、費用が安いところがいいんじゃない?」と考える人も多いですが、それだけで選んでしまうと落とし穴があります。
たとえば、費用が安くても運用担当が新人だったり、改善提案がなく放置されたり…という話は珍しくありません。重要なのは、費用に対する“価値”を正しく見極めることなんです。
そのために、以下の項目をしっかりチェックしておきましょう。
このように、価格だけに目を向けるのではなく、「何が得られるか」に着目するのが、失敗しない代理店選びのコツです。
「広告は出してるのに、なぜか成果が出ない…」
そんな悩みを抱える金融業界の担当者は少なくありません。実はその原因、広告手法そのものではなく、“見えないズレ”にあることが多いのです。
ここでは、よくある3つのつまずきポイントと、すぐにできる改善方法を紹介します。
たった1つの修正でも、大きな成果の変化が起きることもありますよ!
広告経由のコンバージョン(CV)が思うように伸びないとき、まず疑うべきは「広告→LP→アクション」までの導線の整合性です。
たとえば、「少額から始められる資産運用」と訴求しているのに、LPでは専門用語ばかり並んでいたり、資料請求がやたら面倒だったりすると、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
このような“メッセージのズレ”は、クリックはされてもCVにつながらない大きな原因です。
改善のポイントは、一貫した導線とわかりやすさ。
広告文→LPの見出し→申込フォームまで、流れをユーザー視点で確認しましょう。
また、CTA(行動喚起)も「お問い合わせ」ではなく、「3分で診断」「無料で比較する」など、ハードルを下げたコピーに変えるだけで成果が一気に改善するケースも多いです。
「誰に見せている広告なのか?」がズレていると、どれだけ広告の出来が良くても成果は出ません。特に金融業界は、「投資に興味がある人」でも、そのレベル感や目的がバラバラなんです。
たとえば、20代の初心者と、50代の資産保全目的のユーザーに、同じコピーで訴求しても響き方は全く違います。
このズレを修正するには、ペルソナの見直しが効果的です。
「年齢・年収・投資経験・課題」など、できるだけ具体的な設定に落とし込み、その人に合わせた言葉・クリエイティブ・導線設計を行いましょう。
また、SNS広告では属性ターゲティングが非常に細かくできるため、ここをうまく活用すれば「一部の層に刺さる」広告を作ることが可能になります。
「デザインが古臭い」「文字が多くて読みづらい」「結局なにがメリットか分からない」
これらはすべて、ユーザーが感じる“違和感”であり、広告効果を著しく下げる要因です。
特に金融系の商材は、サービス自体が難解になりがち。その分、クリエイティブ(画像や構成)で“伝わりやすさ”を補う必要があります。
改善すべきポイントは主に以下の3つ
一度「自分がユーザーだったら」という視点で広告を見直してみてください。
その違和感が、成果を変える大ヒントになるかもしれません。
WEB広告単体で成果を最大化しようとすると、どうしても限界があります。
とくに金融業界では、ユーザーが“すぐに申し込む”とは限らないため、教育・信頼構築・比較検討のフェーズを支える施策が不可欠です。
実は、多くの成功企業は「広告+〇〇」の形で施策を掛け合わせており、その相乗効果が成果に大きく影響しているんです。
ここでは、特に効果的な組み合わせ施策を2つご紹介します。
セミナー・資料請求との連携でリード獲得を強化
オウンドメディアとの連動で信頼と理解を深める
「いますぐ申し込むのは不安。でも、ちょっと話は聞いてみたい」
金融業界ではそんな心理のユーザーがとても多いんです。
そこで効果的なのが、「広告→セミナー申込」「広告→資料請求」という導線。いきなり申込を迫るのではなく、“情報を得る”というワンクッションを設けることで、ユーザーの心理的ハードルを下げられます。
たとえばSNS広告でセミナー告知を行い、LINEやLPで参加申し込みを受け付ける。セミナー後にはメールや電話でフォローアップを実施し、最終的な申込へつなげる。こうした「ナーチャリング施策」を組み合わせることで、CV率が2倍以上になるケースも。
特にBtoC金融商材(資産運用、保険、住宅ローンなど)では、情報提供=信頼獲得に直結するため、セミナーや資料請求は広告との相性が非常に良いのです。
WEB広告は即効性がありますが、短期で終わる一過性の集客にとどまりがちです。
一方で、オウンドメディア(自社ブログや金融情報サイト)は、中長期的な信頼獲得と認知の土台づくりに役立ちます。
たとえば、リスティング広告からオウンドメディアの「初心者向け解説記事」へ誘導し、そこで理解を深めてもらってから資料請求へ導く…という流れは、コンバージョン率の向上にもつながります。
また、オウンドメディア上で「お金の基礎知識」や「将来設計の考え方」などのコラムを発信することで、広告には載せきれない“教育的価値”を提供できます。
広告→記事→申込という導線をうまく設計できれば、広告費以上の資産価値を生むことも。
短期施策(広告)と中長期施策(オウンドメディア)の併用こそが、強いマーケティングの秘訣です。
金融業界のWEB広告では、最初から完璧な施策を打つのではなく、改善の繰り返し(PDCA)を前提に設計することが重要です。
初期の仮説が外れても、柔軟に見直しをかけることで精度の高い広告へと育てていけます。
さらに、将来的に広告運用を自社内でまわしていく“インハウス化”の流れも進んでおり、その準備は早いうちから始めておくのが得策です。
ここでは、その2つのポイントを詳しく解説します。
広告施策は「出したら終わり」ではありません。
むしろスタート地点はそこから。成果を見ながら改善し続けることで、ようやく本来のポテンシャルを発揮できます。
特に金融業界では、ターゲットの心理や市場の動きが微妙に変化しやすいため、毎月のデータを細かくチェックして、微調整していくPDCA運用が効果的です。
特に、施策を“数字で語れる”体制づくりが重要です。「なんとなく良さそう」ではなく、「どこを、なぜ、どう変えたのか?」をチーム内で共有し、次の一手に活かす文化をつくりましょう。
「いずれは広告運用を社内でやっていきたい」
そう考える企業も増えています。実際、インハウス化にはコスト削減やスピードアップなど多くのメリットがあります。
ただ、完全にゼロから始めると苦戦することも多いです。そこでおすすめなのが、“ハイブリッド型”でのスタート。
広告代理店と組みながら、自社の担当者が少しずつノウハウを吸収していくやり方です。
まずは以下の業務から少しずつ担当すると良いでしょう。
その後、管理画面の操作や入稿作業などを段階的に習得すれば、自然と運用の全体像が見えてきます。
また、広告代理店側に「内製化を視野に入れている」と伝えておくことで、教育的サポートやツール提案を受けられるケースも多いです。
無理なく、でも着実に社内に広告スキルを蓄積していきましょう。
今回の記事では、金融業界でWEB広告を成功させるためのポイントを徹底的に解説しました。
以下に、内容の要点を整理しておきます。
特に金融業界では、「見込み客の不安をどう取り除くか」が成果を大きく左右します。
広告を“売るためのツール”としてだけでなく、“信頼構築の第一歩”と捉えることで、結果は大きく変わってくるはずです。
広告出稿を検討中の方も、すでに実施中で伸び悩んでいる方も、
今回の内容を参考に、自社に合った戦略を再設計してみてください。
現在デジタルマーケティングにおいてお悩みがある方や、
課題を感じているがどうしていいかわからない方向けに
無料でご相談会を実施しております。
まずは自社の現状を知り、可能な改善施策はどういったものがあるのか、
スケジュール、予算感はどのようなものなのか等も含めて
ご説明しますので、お気軽にご相談ください。
監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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