更新日: 2024.09.02
SEO対策のためのコンテンツマーケティングを行っている方や、これから行う方の中で、「トピッククラスター」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
トピッククラスターとは、サイト内のコンテンツをトピック毎にグループ化することで、サイトの構造を整理し、検索エンジンにサイトを認識しやすくさせることによって、SEO効果を高める戦略です。
SEO対策を目的としたコンテンツマーケティングを行う中で、コンテンツの量や質は非常に重要です。
むやみに記事を増やしてしまっては、正しい内部リンクを設置できていなかったり、カテゴライズがきっちりされていなかったりなど、サイトの構造が分かりづらくなり、結果としてユーザーからも検索エンジンからも見づらいサイトになってしまう可能性があります。
そこで、トピッククラスターが重要になってきます。
この記事では、トピッククラスターの概要から、SEO的観点からのトピッククラスターのメリット、トピッククラスターの作り方や、作成のポイントを解説します。
目次
トピッククラスターとは、ピラーコンテンツ(メイントピック)とクラスターコンテンツ(サブトピック)をグルーピングし、コンテンツ同士を内部リンクで繋ぐことで、グループごとのSEO評価を高めるコンテンツマーケティングの戦略です。
トピッククラスターを作成することによって、ページ間での関連性や親子関係を検索エンジンが認識しやすくなるため
クローラビリティが向上し、結果としてサイト全体の評価がされやすくなります。
また、訪れたユーザーが興味・関心をもつ可能性の高いコンテンツへの導線を適切な箇所に配置することで、ユーザーがサイト内を回遊しやすくなります。
コンバージョンまでの導線を意識して設計することで、コンバージョン獲得率の改善も見込めます。
ピラーコンテンツは、トピッククラスターの中心となるコンテンツです。
特定のキーワードに含まれる様々なニーズに対して、広範囲で解決策を提示できる包括的なコンテンツである必要があります。
例えば、「SEO」で検索するユーザーの中には、「SEOとは何か知りたい」「SEOの仕組みを知りたい」「SEO対策を行ない上位表示を獲得したい」など、キーワードは同じでも検索意図は異なる場合があります。
ピラーコンテンツでは、ユーザーの様々な検索意図に対して適切な回答を網羅していることが重要です。
クラスターコンテンツは、ピラーコンテンツの内容をより詳しく補足するコンテンツです。
ピラーコンテンツでは解説しきることが難しい関連キーワードに対して、より深堀りしたコンテンツであることが重要です。
例えば「SEO」に関連するキーワードであれば、「SEO対策依頼」「SEO対策費用」「SEOトピッククラスター」といったキーワードがクラスターコンテンツに当たります。
これらのキーワードは、ピラーコンテンツと比較し、検索ボリュームが小さく、検索するユーザーの意図がはっきりしています。
中には競合性が低く、上位表示が狙いやすいキーワードもあるため、コンテンツの質が高ければドメインが強くなくても上位表示できる可能性があります。
各クラスターコンテンツの評価を高めていくことで、トピッククラスター全体の評価が向上し、結果的にピラーコンテンツの評価向上及び上位表示を獲得できる可能性が高まるため、コンテンツマーケティングの成果に繋がりやすいです。
SEO的観点からのトピッククラスター戦略を取るメリットは以下の4点です。
サイトの構造が分かりやすくなる
情報の網羅性が向上する
ロングテールキーワードとの相性が良い
コンテンツの管理性が向上する
以下より詳しく解説します。
それぞれのコンテンツをトピックごとでグループ化し、関連する記事をリンクで繋ぐことでサイトの構造が整理され分かりやすくなります。
すると、クローラーがサイトに訪れた際、サイトの巡回をスムーズに行う事が可能になり、コンテンツ同士の関連性も伝わりやすくなります。
結果として評価されやすいサイトとなるわけです。
さらに、関連するコンテンツをリンクで繋ぐことで、評価の分配ができるため、リンク先コンテンツのSEO評価を高めることも可能です。
流入してきたユーザーからしても、関連記事への導線によってサイト内が回遊しやすくなることから、ユーザビリティ的な観点でもメリットがあります。
ユーザーの様々な検索意図に応えるためには、情報の網羅性が重要です。
トピッククラスターは、各コンテンツに紐づいたキーワード群をグループ化し、全体の構造を視覚化することが可能です。トピックに関する情報が網羅されていれば、専門性が高まり、SEO評価の向上に期待できます。
ピラーコンテンツ内ではカバーしきれない情報をクラスターコンテンツとして作成することで、特定のキーワードに関しての検索意図に応えるだけでなく、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツを内部リンクで繋ぐことによって、トピック全体の情報の網羅性が向上することから、SEO対策を目的としたコンテンツマーケティングの効果を得やすいです。
ロングテールキーワードとは、例えば「SEO 対策 外注」など、複数のキーワードをかけ合わせた比較的検索ボリュームの少ないキーワードです。
しかし、競合性が低いため上位表示が狙いやすく、一定の流入が獲得できる見込みがあることや、検索ユーザーのニーズが明確となっているため、キーワードによってはコンバージョンに繋がりやすいケースもあるといったメリットがあります。
コンバージョンに繋がりづらいコンテンツであっても、トピッククラスター内のピラーコンテンツやコンバージョンに繋がりやすいコンテンツへの導線を自然に設置することが可能なため、サイト内を回遊させることでコンバージョンに繋げやすくなるため、SEO対策を目的としたコンテンツマーケティングにおいて重要とされています。
トピッククラスターの導入によって、メインとなるトピックを中心に、関連するサブトピックを体系的に整理していき、グループ全体でトピックをカバーする網羅性の高いコンテンツを作成していくことは、サイト運営者側にとっても、自社が取り扱うべきトピックや、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを明確にできるという点でメリットがあります。
従来のSEO対策のためのコンテンツマーケティングでは、個々のキーワードを対象に最適なページを大量に作成していくことが主流でした。そのため、コンテンツ同士での関連性が低下し、サイト全体でのまとまりが失われ、検索エンジンにサイトのテーマを認識させずらくなり、結果として評価されづらいサイトになってしまっているケースもありました。
トピッククラスターの導入によって、コンテンツのまとまり毎に最適なキーワードが割り振れるため、Googleから重複コンテンツとみなされたり、既存のコンテンツ同士でそれぞれキーワードを取り合った結果、検索順位が不安定になるキーワードのカニバリゼーションなど、様々なトラブルの防止に目を向けることが出来るようになります。
ここからはトピッククラスターの実際の作成方法を流れに沿って解説していきます。
主な手順としては以下です。
STEP1.核となるトピックを選定
STEP2.ピラーコンテンツで対策するキーワードを選定
STEP3.クラスターコンテンツで対策するキーワードを選定
STEP4.内部リンクでコンテンツを繋ぐ
まずはじめに、クラスターの核となるトピックを選びます。キーワードよりも更に大きな概念で考えていくとよいでしょう。
選定のポイントは、「どのようなユーザーにサイトに訪れてほしいのか」を定めることです。
コンテンツマーケティングの最終的な目標であるコンバージョンを獲得するために、「誰に対してどのように訴求を行うか」を考えて選定を行ないましょう。
トピックを選定したら、ピラーコンテンツで対策するキーワードの選定を行ないましょう。
例えば「SEO」などのトピックであれば、トピックがそのままキーワードになる場合もあります。
「SEO対策について知りたい」「SEO対策を行ないたい」など、ピラーコンテンツで対策するキーワードの中にどのようなユーザーの検索意図があるのかを把握しておくことで、クラスターコンテンツを作成する際のキーワード選定など、コンテンツマーケティング全体の進行がスムーズになります。
ここで選定するキーワードは、検索するユーザーの幅が広くなりすぎないよう注意しましょう。
意図していないユーザーの流入が大半になってしまうと、アクセス数は増えてもコンバージョンに繋がりづらくなってしまいます。
逆に検索するユーザーの幅が狭すぎると、内部リンクで繋げるためのコンテンツ量が少なくなり、全体としての高いコンテンツマーケティングの効果が期待できなくなってしまいます。
キーワード選定のポイントは、検索ボリュームを鑑みて、最終的に上位を目指したいキーワードを意識することです。
すでに複数のコンテンツがサイトに存在する場合は、どのコンテンツがピラーコンテンツになり得るのかといった視点から、コンテンツの再評価と精査が必要です。
場合によっては、対策キーワードの重複を防ぐために、コンテンツの統合を行う必要があるかもしれません。
コンテンツマーケティング全体に関わるため、ここでの作業は慎重に行ないましょう。
有効なキーワードの選び方に関しては、下記の記事でも説明していますので、併せてご覧ください。
関連記事:コンテンツマーケティングで有効なキーワードの選び方
ピラーコンテンツで対策するキーワードが決まったら、そのコンテンツを補足するためのクラスターコンテンツを選定しましょう。
キーワードプランナーなどのツールを利用して、対策が必要なキーワードの洗い出しを行い、キーワードに合わせてコンテンツを選定します。
ここでも注意しなくてはならないのが、コンテンツの重複です。
クラスターコンテンツはピラーコンテンツの内容に付随しているため、コンテンツ同士で内容の重複が起きやすいです。
コンテンツで対策するキーワードを明確にしておかなくては、キーワードが重複した際、検索エンジンがどちらを上位表示すれば良いのか迷ってしまいます。
すでにコンテンツマーケティングを行っており、サイトに複数のコンテンツがある場合も、Search Consoleなどを利用してキーワードの重複を確認し、改めてクラスターコンテンツとしてサイト構造を整理しましょう。
最後に、選定したピラーコンテンツとクラスターコンテンツを内部リンクで繋ぎましょう。
基本的には、すべてのクラスターコンテンツからピラーコンテンツに対して内部リンクを設置し、クラスターコンテンツ同士に関しては、必要であれば両コンテンツに設置するという考え方です。
関係性が低いコンテンツ同士を内部リンクで繋いでも、回遊されず離脱に繋がる恐れがあるだけでなく、トピッククラスターの評価が低下し、コンテンツマーケティング全体に影響してしまう可能性があります。
トピッククラスターを導入することで、キーワードの順位が目に見えて上昇することもあれば、むしろ悪化することもあります。
正しい形で作成するだけではなく、作成する際のポイントをいくつか解説します。
上位表示を目指す上で、競合他社がどのようなトピッククラスターを作成し、コンテンツマーケティングにおいてどのようなコンテンツを追加しているのかを調査することは非常に重要です。
自社のコンテンツに足りない情報や、追加できる独自の情報を追加して差別化を行うなど、状況に合わせてコンテンツの定期的な見直しを行ない、最適化を行ないましょう。
各コンテンツ間の内部リンクは、ユーザーが課題を解決するために、適切な箇所に設置されている必要があります。
文章を読み進めている途中で関連する専門用語があれば、テキストにリンクを設置することでより広くユーザーの検索意図を満たせるようになります。
最も理想的なのはピラーコンテンツが上位表示されることですが、検索ボリュームの多いキーワードを対策することになり、競合も多くなるため速攻性をもって上位表示を獲得することは至難の業です。
一方クラスターコンテンツは、より細かいユーザーの検索意図に対して情報を提供していくため、競合性も低く上位表示しやすいケースがあります。
クラスターコンテンツが評価されれば、それに紐づいたピラーコンテンツや他クラスターコンテンツの評価も向上していくことが考えられるため、はじめからピラーコンテンツで上位表示を狙うのではなく、クラスターコンテンツから増強を行ない、全体の評価を高めるのもひとつの手です。
クラスターコンテンツの中でも、対策難易度やコンバージョンのしやすさなどを鑑みて、優先順位を決めて対策を行ないましょう。
SEO効果を高めるためのリライトに関しては、下記の記事でも解説しております。併せてご覧ください。
関連記事:書くだけではダメ!コンテンツのSEO効果を高めるリライトの方法とは?
キーワードクラスターとは、内包される検索意図が近いキーワードのグループです。例えば「SEO」と「SEO対策」はどちらもSEO対策とはなにか知りたいユーザーの意図が含まれるため、同じキーワードクラスターとなります。
ピラーページは、各クラスターページに内部リンクが設置されており、各クラスターページからも同様にピラーページへと内部リンクが設置されます。
このリンクによって、検索エンジンに対してページ間の関連性を明確にし、情報の網羅性を効率的に伝えることが可能になります。
トピッククラスターは、検索エンジンに対してサイト構造を分かりやすくし、クローラビリティを向上させるだけでなく、ユーザーにとっても回遊しやすい構造になるおすすめの戦略です。
おおまかなトピッククラスター導入の流れとしては以下です。
STEP1.核となるトピックを選定
STEP2.ピラーコンテンツで対策するキーワードを選定
STEP3.クラスターコンテンツで対策するキーワードを選定
STEP4.内部リンクでコンテンツを繋ぐ
最後になりますが、トピッククラスターを作成したからといって必ず表示順位が向上するわけではありません。
コンテンツの質はもちろん、競合の状況などによって対策難易度は異なります。
そもそも、トピッククラスターを作成して上位表示を狙う前に行うべき改善施策があるかもしれません。
もし、現状行っている施策やSEO対策を目的としたコンテンツマーケティングに関して少しでも不安な点があったり、トピッククラスターの導入を検討しているがキーワードについて悩んでいるなど、お困りの方はぜひセンタードにご相談ください。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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