更新日: 2024.09.04
WEBサイトを制作・運営する目的は、売上アップや認知度アップなど様々です。そしてこれらの目的を達成するために重要な要素として、集客数・CVR・改善の3つが挙げられます。この3つの要素が揃うことで初めて売上アップに繋がります。
しかし、知識としてはこれらのことを知っていても、「実際にどんなことから始めればいいのか分からない」といったり、集客数・CVRのデータとして現状がわかっていても、「どのような改善策をとればいいのか分からない」といった悩みをお持ちのWEBご担当者様も多くいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、そのようなお悩みをお持ちの方に向けてWEBサイトの目的を達成するため、そして継続的に改善を行う為に用いられる「PDCAサイクル」の効果的な回し方について解説します。
PDCAを回していく前の準備段階として、まずは、目標と現状の立ち位置を明確にすることが重要です。なぜなら、目標と現状の“差”が目標を達成するための課題となるからです。そこで設定する目標は、KGI(KeyGoal Indicator)とKPI(KeyPerformance Indicator)の2つです。
KGIとは、最も達成したいWEB上での最終目標のことを指します。KGIを因数分解し、より具体的にした中間指標がKPIです。そして1つのKGIにつきKPIは複数挙げられ、これらをツリー状にまとめたものをKPIツリーといいます。KPIツリーを作成することによって、サイトのみならずそのサイトの企業の最終目標やKGI達成へ向けた適所の「目的」「道筋」「目標」を明確化し、各所の目標に合わせた施策の設計や目標に対する評価が可能となります。
例として、あるECサイトのKPIツリーを以下に示します。
KGI・KPIを設定したら、次は自社の現状を分析・把握しましょう。現状分析を実施する際には、思考の型となるフレームワークを使って導き出します。メジャーなフレームワークである「3C分析」は現状分析を実施する際に有効です。
3C分析とは、
Customer(カスタマー:顧客‧市場)
Company(カンパニー:自社)
Competitor(コンペティター:競合)
の3つの視点から自社の現状を把握する分析です。顧客や市場を理解し、競合との差別化を図ったうえで、自社の強みを活かすことが、効果的なサイトを作っていくことで重要です。
また、自社の現状分析をするときに役立つ代表的な手法には、以下のものがあります。
…ユーザー目線での経験則に基づき、自社・競合のWEBサイトより『良いところ』『悪いところ』を洗い出していきます。この分析の精度を上げるにはチェック項目をピックアップしたリストを用いて分析することが有効です。
…ユーザーがどの部分を、どれくらい閲覧したか、どこをよくクリックしたかを、視覚的に把握できます。特にLPの場合、1枚のみのページとして直帰率が高くなりがちですが、ユーザーのページ内の行動をサーモグラフィのように直感的に表示できるため、様々な気づきが得られます。分析結果を元に改善策を実装し、直帰率・離脱率の改善を図ります。
…ヒューリスティック分析により明確になった課題に対して、定量的に裏付けをするための分析手法です。定性分析では分析できない箇所について、定量分析で気づき・課題を抽出します。例えば、コンバージョン者と非コンバージョン者のページ閲覧傾向の比較や、ウェブ上での掲載順位の推移などが挙げられます。これらに関して、GoogleAnalyticsやGoogleSearchConsole等の解析ツール等を用いて分析していきます。
ここまでで達成すべき目標の設定と、自社の現状把握を行ったら、いよいよPDCAの実施にうつります。
今後の方針・計画を決めていくために、課題を明確にし、最適な施策を選定していきます。
たとえば、「早くサイトに人を呼びたい」という場合、中長期的施策であるSEOの強化は適していません。スピードを優先して集客を行いたい場合は広告出稿を検討すると良いでしょう。このように、KPIのうち、どこに課題があるのかを明確にし、施策の方向性を決めます。 施策の方向性を決定したら、その中でもどのような施策をとれば良いか、具体的内容を考えます。
・緊急性を要するユーザーがターゲットになる商材なのか否か
・ユーザーの質とユーザーの数のどちらが欲しいのか、
・ターゲットの範囲は広いのか狭いのか
といった要因によって、とるべき具体的施策は変わっていきます。
そして、施策の優先付け、施策の決定ができたら、具体的なロードマップに落とし込みます。すべての課題を一度に解決することはできないため、優先順位をつけて、実行していきましょう。
計画決定後、施策を実行していきます。
運用型広告による集客、SEOによる集客、サイト制作などのソリューションがありますが、実行していく中では、各ソリューションの特徴や強みを理解することが重要です。
・集客(運用型広告):リスティング広告、SNS広告、DSP
メリット…質の高いユーザーを比較的早く集客できる
テストマーケティングしやすい
デメリット…掛け捨てのため、資産にはなりづらい
・集客(SEO):内部対策、コンテンツマーケティング、外部対策
メリット…WEB上の資産となり、長期間にわたって集客できる
様々なキーワードから集客できる
デメリット…遅効性のため、成果が出るまでに時間と手間がかかる
・サイト制作:WEBサイト、ランディングページ(LP)、サイト改修
メリット…営業ツール・広報ツールとして機能する
資産になる
デメリット…制作期間、コストがかかる
設計時に知見が必要
ただ、施策を行うのみで放置しているだけでは意味がありません。
KPIの指標をもとに、各施策を行ったことで、どの程度以前の数値から進捗しているか。改善して良くなっているのか。悪くなっているのかを、きちんと評価することが重要です。そこで、KPI達成のために必要な数値を過去の指標と比較し分析する、効果検証を行います。効果検証を行う上では、数値に基づいて事前にこれらの数値が計測できる環境を整えることが重要です。そういった際には、GoogleAnalyticsなどのツールの導入がオススメです。分析の結果、良かった点‧悪かった点を明確にして、どこから改善していくか、どのように改善していくか、それぞれの改善策を検討し次のアクションへつなげます。
今回行った施策を分析後、新たな課題に合わせて次の施策を立案していくことが重要です。ただ評価をして満足せず、次の施策を立案することでさらなる改善につながっていきます。行った施策が良かったのであれば、その施策を引き続き実行したり、施策のさらなる強化を図ったりします。そのためには、新たな目標や課題を決定していきましょう。反対に、行った施策が悪かったのであれば、その施策の改善、もしくは異なる施策の立案が必要となります。そこで、異なるクリエイティブの作成や現状施策に他施策の追加、といった改善策を立てていきます。
全体をおさらいすると、
具体的な目標(KGI・KPI)を決める
↓
現状分析をする(顧客‧市場/自社/競合)
↓
PDCAサイクルの実施
となります。
改善に終わりはありません。KGIを達成するまでPDCAを繰り返すことが大切です。頻繁にPDCAを回し、効果の最大化を図りましょう。
いかがでしたでしょうか?皆さんにとって有用なコンテンツとなっていれば幸いです。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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