ホームページを統合するべき?分けるべき?複数サイトの構成で考えるべき4つの視点

更新日: 2024.09.02

本記事は、センタードのコンサルタントがお客様より頂いたご質問を元にした記事です。
ホームページのリニューアルを考える際に、「複数のサイトを統合すべきか、分けるべきか」と、お悩みの方は少なくありません。

そこで今回は、弊社コンサルタントがお客様のホームページを統合すべきか分割すべきかを決定する際に考えるポイント4点をご紹介します。

「コーポレートサイトとサービスサイトを分けるべきか?」「サービスサイトでも管理部署が違うサービスを分けるべきか?」など、もしも迷われている方がいたら、参考になれば幸いです。

この記事でわかること

  • 統合する場合の選択肢について

  • 統合するか分けるかを検討する際の4つの判断軸

 

 

結論としては、「ケースバイケース」である。

結論を先に述べると、「一概に断定できる正解はない。ケースバイケースである。」となります。が、それでは先に進まないことでしょう。一般論の正解はありませんが、ホームページごとの最適解はあります。

そこで本記事では、各社の状況によって最適解が見つけられるよう、どういった視点で考えるべきか、判断軸となる4つのポイントをご紹介します。

ホームページの統合/分割の選択肢

判断軸について考える前に、まずはどのような選択肢があるかおまとめしました。選択肢については、大まかに分けると4つの選択肢があります。その際に留意すべき点は2点あります。一つは、ハード面となるドメイン/ディレクトリ構成のあり方。もう一つはソフト面となる画面設計方法です。

ドメイン/ディレクトリ構成のあり方

ユーザーからの見え方には大きく影響しませんが、ホームページの物理的な構成で違いがあります。

このドメインを同一にするか、別のものにするかによって、主にSEO面への影響が考えられます。例えば、企業サイトと採用サイトを分けるとすると、それぞれ下記のようになります。

ドメインを同じにする(=ディレクトリで分ける)場合

企業サイト:https://www.〇〇〇.co.jp/
採用サイト:https://www.〇〇〇.co.jp/recruit/

SEO的には同一のホームページだと認識されます。

ドメインを分ける場合

企業サイト:https://www.〇〇〇.co.jp
採用サイト:https://www.〇〇〇-recruit.co.jp(別の独自ドメインを取得)もしくは、https://recruit.〇〇〇.co.jp(サブドメインを取得)

SEO的には別のホームページだと認識されます。

 

ドメイン、ディレクトリとは・・・

  • ドメインとは、平たくいえばホームページの”住所”のようなものです。

    例)弊社ホームページの場合
    https://www.centered.co.jp/
    「centered.co.jp」の部分がドメイン

  • ドメインを分ける場合、「独自ドメイン」自体を別に取得する場合と、独自ドメインから派生させて使用できる「サブドメイン」を取得する場合と2つの選択肢があります。
    独自ドメインは「〇〇〇.co.jp」そのもの。サブドメインは、「service.〇〇〇.co.jp」など、独自ドメインの前に文字列を追加した形のものです。

    例)Googleの場合
    https://www.google.com/
    独自ドメインは「google.com」

    https://mail.google.com/、https://drive.google.com/
    などの「mail.google.com」「drive.google.com」がサブドメインです。

  • ディレクトリとは、フォルダ構造のことを指します。ドメインを同一にする場合は、ディレクトリでホームページを分けることになります。

    例)弊社ホームページの場合
    「https://www.centered.co.jp/blog/〇〇〇〇〇〇.html」の「/blog」の部分がディレクトリ名です。

 

 

 

画面設計で共通性をもたせるか

先述のドメインとは逆に、ユーザーの見え方に大きく関わるのが、画面設計です。これは、ホームページ内での回遊性など、ホームページ上でのユーザーの行動に大きく影響します。選択肢は様々ありますが、例としては下記のようなパターンが考えられます。

・共通メニューを設ける/設けない
一般的なホームページ内のナビゲーションの他、サイトを横断した共通メニューも設ける形。サイト間の回遊をしやすくする効果が期待できます。一方で、相互の回遊の重要性が高くない場合、メニューが多すぎて迷ってしまったり分かりづらくなる懸念もあります。

・デザインやトーンマナーを揃える/揃えない
基本的な配置やデザインは統一をするが、テーマカラーだけを変える、など統一性を持たせるかどうか。統一性があるデザインの場合、相乗効果が期待できたり、会社全体のブランディングが強固になる期待ができます。その反面、ホームページごとの特色や訴求力は弱まってしまいます。BtoB向けとBtoC向けなど、ターゲットが明らかに異なるホームページ同士の場合は、無理に統一させるよりも、それぞれのホームページに特化した訴求を行うほうがおすすめです。

統合/分割を決める際の4つの判断軸

繰り返しにはなりますが、「統合するかしないか」という問いに、これといった決まった正解はありません。ですが、ホームページごとの最適解は存在します。弊社のコンサルタントがお客様のサイト設計を考える際には、下記の4点を意識しています。

① SEO的な視点
② ユーザーが情報を得られやすいか
③ 運用がしやすいか
④ 拡張性があるか

① SEO的視点

弊社コンサルタントがまず考えるのは、このSEO的視点です。サイト集客への影響を重視したいためです。これは主に、「ドメイン/ディレクトリ構成のあり方」に関係します。

リニューアルでの検討(=現在のホームページがある)の場合、現サイトのSEOの力を考慮します。もしも今がホームページ分割された状態でSEOパワーが高い場合、1サイトに統合してしまうとパワーが弱まってしまうリスクがあります。

SEOを考慮する際、ホームページごとのテーマの強さも重視されるポイントです。テーマが別々のものを1つのサイトにまとめてしまうと、テーマが弱まってしまう懸念があります。逆に言えば、今分割した状態でも、同じテーマである場合、統合するとパワーが強まるケースもあります。

ドメインを統合すべきケース

BtoB営業支援ツールAと、同じくBtoBの営業支援ツールB
※サイトテーマが同じ「営業支援」であるもの

ドメインやディレクトリを分割したほうが良いケース

飲食サービスと、不動産サービスなど、関連性がないもの
※テーマが明らかに異なるもの

判断に迷うが、分割したほうがいいかもしれないケース

BtoB営業支援ツールAと、BtoBの業務効率化ツールB

上記のように、テーマが近しいといえば近しいが、ユーザーニーズが異なる場合はテーマを分けたほうが良いケースもあります。対策すべきキーワードや競合のSEO対策状況によるため一概には言えません。判断が難しい場合には、WEBマーケティングやSEOを扱う会社に相談してみてもよいでしょう。

② ユーザビリティ視点(ユーザーが情報を取得しやすいか)

先述のSEO的視点、つまり集客と同様に重要な視点がこのユーザビリティの視点です。「ユーザーが求める情報に到達しやすいか、探しやすいか」、また、こちらから「訴求したい内容に誘導しやすいか」、という導線設計の視点です。これは主に「画面設計方法」に影響します。

共通メニューやサイトデザインを統一すべきケース

・コンテンツ内容に類似性があり、相互にユーザーの行き来が想定される場合
・統一性があることがブランディングに有効である場合

共通メニューやサイトデザインを統一する必要がないケース

・コンテンツに類似性がなく、ユーザーの行き来の相乗効果が見込めない場合
・統一性よりも、個別の訴求を強めたほうがブランディングに有効な場合

例えば、営業支援ツールAとBであれば、製品は別では有るが、「営業支援」に対するユーザーニーズは共通するものが多く、コンテンツの行き来が想定できます。
また、AとBの2つのツールを併せて導入したほうが相乗効果が狙えるのであれば、より行き来をしやすくする=統一をすべきでしょう。

逆に、飲食サービスと不動産サービスなど、訴求すべきターゲットや内容が異なる場合、統一性よりも個別のブランディングが求められる=統一をしないほうが良いでしょう。

ホームページに来訪するユーザーのニーズを類推し、画面設計のあり方を考慮しましょう。

③ 運用のしやすさ

先述の①、②に比べると、サイトの効果に直結するものではありませんが、ホームページ運用を考えたときに管理のしやすさも重要なポイントです。これにはホームページの管理体制が関わります。

統合をおすすめするケース

ホームページ管理者、担当者が同一である場合。例えばホームページの管理はすべて、WEB担当者で統括している。もしくは、同一パートナー企業で管理している、など。
メリットは、ホームページの管理が一括で行えるため、管理がしやすくなります。また、新しいコンテンツやツールの導入などもスムーズに行きます。ホームページ間をまたいだ分析なども実施しやすいでしょう。

逆にデメリットは、一つのホームページに不具合などが起こった場合、影響が他のサイトにも出てしまうなどのリスクがあります。管理者が分かれている場合には、新しいことを試すのにも、ホームページ全体への影響を考慮する必要があり、少し身動きが取りづらいかもしれません。

分割をおすすめするケース

統括部署や担当者が異なる場合。例えば、サービスサイトは営業部で採用サイトは総務・人事部など。社内の管理部門が異なり、連携を図ることが負担になってしまう場合。

メリットは、部署が分かれていることで、独自のホームページ更新がしやすい等が挙げられます。例えば、採用サイトを運営する人事部では頻繁にブログ更新を行っていきたい。でも営業部では他の業務があり、頻繁にはサイト更新が出来ない。などといった場合に、それぞれで異なる運用フローを設けることが可能です。

デメリットとしては、ホームページが増える分管理工数は増えるため、管理者が同一の場合にはさほどメリットの享受が見込めません。

④ 拡張性

こちらも、ホームページ成果に直結はしませんが、今後のコンテンツ追加をすることも考慮すべきでしょう。今後ホームページ上にコンテンツを追加することを検討した場合、拡張のしやすさを考慮すると、どの方法がベターであるかも考慮しましょう。

統合をおすすめするケース

全体で共通となるようなコンテンツの追加が多く見込まれる場合、都度全ホームページに追加をするよりも1つのホームページに追加をするほうがオススメです。似たようなページが存在すると、SEO的にも重複コンテンツとしてみなされてしまったり、ユーザー的にも似たページがあると迷ってしまったりというデメリットがあります。

また、計測や分析のためのツール導入や、CMSの機能も拡張をする場合にも、ホームページが1つのほうがスムーズに進められるでしょう。

分割をおすすめするケース

追加したいコンテンツがサイトごとに異なる場合、ホームページを分割したほうが良いかもしれません。例えば、取扱部署が異なる商材のサイト同士の場合、部署ごとに独自のコンテンツ追加がしやすくなり、商材に合った訴求をしやすくなる、というメリットがあります。

もしもホームページを統合した状態で自由な運用をしてしまうと、ホームページ全体の統一感が損なわれてしまうなどの懸念があり、自由度を求めるならば分割したほうが拡張性は高いと言えるでしょう。

まとめ

冒頭に述べたように「一般的な正解は無いが、ホームページによっての最適解はある」ということで、その最適解を探るための4つのポイントをご紹介しました。ここまでのお話を、改めて表にすると下記のようになります。

特に「①SEO的視点」「②ユーザーが情報を取得しやすいか」という2点は、サイトの流入数やCV(=コンバージョン、お問い合わせなどの成果地点)にも直結するため、是非参考にしてください。

センタードでは、サイト統合課題に関するお客様の相談も多く受け付けております。ホームページ統合問題は1つ対応策を間違うと、流入自体を大きく損ない、成果を大きく減少させるリスクがあります。
※そのあたりは単純な制作領域ではないため、必ずマーケティングに知見のある会社に依頼してください。

 

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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