更新日: 2025.04.11
「最近、広告運用で”Meta広告のCIBS”ってよく聞くけど、なんのこと?」
そんな風に思った方、多いのではないでしょうか。
Meta(旧Facebook)広告は、年々機能が進化していて、もはや運用方法も一昔前とはまったく違うものに。
その中でも注目を集めているのが、「CIBS(インフレーション予算戦略)」という新しい手法です。
一方で、「日予算を5倍に?」とか「ペーシング機能を外す?」と聞くと、
「なにそれ、なんか難しそう…」と身構えてしまう方も少なくありません。
でも安心してください。このCIBS、実は”正しく理解して活用すれば”、CPAを下げながら獲得数をしっかり伸ばせるという非常に強力な戦略なんです。
目次
Meta広告における「CIBS」とは、「Campaign Inflation Budget Strategy(キャンペーン・インフレーション予算戦略)」の略で、広告の配信機会を最大化し、成果を伸ばすための運用手法です。
CIBSでは、広告セットやキャンペーンの「日予算」を通常より大きく設定することで、Metaの自動最適化機能(ペーシング)による機会損失を回避し、CPA(顧客獲得単価)を抑えながら獲得数を増やすことが可能になります。
近年では、Meta広告で成果を最大化したい企業にとって重要な戦略として注目を集めています。
CIBSとは「Campaign Inflation Budget Strategy(キャンペーン・インフレーション予算戦略)」の略称で、Meta広告の世界で新たに広がっている運用アプローチです。
Meta広告では通常、広告配信は「ペーシング機能」によって最適化され、残予算や残日数に応じて広告がコントロールされます。つまり、あらかじめ設定した日予算が少なければ、広告が出るチャンス自体が減ってしまうこともあるんです。
CIBSはこの課題を逆手に取り、日予算をあえて5〜10倍に増やすことで、システムに「制限がない」と思わせ、より多くの機会を獲得しようという戦略。シンプルに言えば、「チャンスを逃さずガンガン出していくための設定テクニック」と言えます。
Meta広告の配信には「ペーシング機能」という、自動最適化の仕組みがあります。これは、広告予算が早く尽きないように、配信タイミングや頻度をコントロールする役割を持っています。
便利な一方で、このペーシングが働くことで、「本来なら成果が出る時間帯」や「反応がいいユーザー」にリーチできず、チャンスを逃すことも少なくありません。
CIBSではこのペーシング機能を「騙す」というと言い方は悪いですが、あえて日予算を大きく見せることで、制限を取り払い、システム側に「今配信していいよ!」と判断させる状態を作ります。
結果として、良質なタイミングで広告が多く表示され、CPAの削減や獲得数アップにつながるわけです。
CIBSを取り入れる最大の魅力は、広告の配信機会を増やしつつ、CPAを抑えて効率的に成果を上げられる点です。
特にMeta広告においては、配信タイミングや入札機会がコンバージョンを左右するため、CIBSのような“制限を外す”アプローチは非常に効果的。
従来の予算制御型よりも「今、この瞬間に広告を出すべき」タイミングで配信されやすくなり、結果として反応率の高いユーザーに届きやすくなります。
CIBSが注目される一番の理由は、「少ないコストで多くの成果を出せる可能性がある」こと。CIBSでは日予算を大きく設定し、Metaのペーシング機能による自動的な制限を解除します。これにより、高いパフォーマンスが見込まれるタイミングに広告をしっかり出せるようになります。
ユーザーの反応が高まる瞬間を逃さず、質の良いリーチが可能になることで、結果的にCPA(顧客獲得単価)は下がりやすくなります。「この商品を買いたい!」と本気で考えているユーザーにピンポイントで届けられる仕組みと言えるでしょう。
従来の「少しずつ均等に出す」配信では取りこぼしていたチャンスを、CIBSは取りに行く戦略なんです。
SNS広告市場は競争が激化しており、従来の運用では思うような成果が出にくくなっています。
そんな中、CIBSは「勝てる設定」として広告運用者の間で話題になっています。
背景にはMetaのアルゴリズム進化があり、機械学習による配信最適化の影響が強まったことが関係しています。従来の運用では「人の手による細かい調整」が重視されていましたが、今では“システムの性質を理解し、どう最適化に協力するか”が成功のカギ。CIBSはまさにその本質を突いた方法です。
CIBSを始めると聞くと「なんだか難しそう」と感じるかもしれませんが、やることは意外とシンプルです。
この戦略のキモは「日予算の大胆な設定変更」と「ペーシング機能の理解」にあります。
とはいえ、やみくもに設定を変えるだけではうまくいきません。
ここでは、初心者の方でも迷わずCIBSを実装できるように、準備から設定までをステップごとにわかりやすく解説します。
Meta広告マネージャーにログイン
→ 管理画面にアクセスし、対象のキャンペーンまたは広告セットを選択。
対象の広告セットの「日予算」を通常の5〜10倍に設定
→ 例:通常3,000円 → CIBSでは15,000円〜30,000円に設定。
キャンペーンの目的を「コンバージョン」に設定
→ ペーシング効果を最大化するために、成果ベースの最適化が必須。
広告配信の最適化設定を「コンバージョン」にする
→ リーチやクリックよりも成果に焦点を当てる。
配信時間帯や曜日は制限しない設定に
→ 「いつでも配信OK」にすることで、機会損失を避ける。
結果を1週間〜2週間単位でチェックする
→ 日単位で成果を判断せず、一定期間で最適化の進行を確認。
成果が出ない場合は広告クリエイティブの見直しを
→ 設定だけでなく、訴求やLPの質も影響します。
CIBSを導入する前に、「あ、これ先に準備しておけばよかった…」と後悔しないためにも、いくつか押さえておきたい事前準備があります。
設定そのものはそこまで複雑ではないものの、広告の土台が整っていない状態でCIBSだけ導入しても効果は出にくいのが正直なところです。
特に、CIBSは短期勝負ではなく「学習フェーズを経てじわじわと成果を伸ばす戦略」なので、運用開始前の準備が成功の鍵になります。
以下の3つは、CIBSの導入前に必ずチェックしておきたいポイントです。
目標となるCPA(獲得単価)の明確化
→ どの数字を基準に「成果が出ている」と判断するのかを先に決めておきましょう。
十分な広告予算の確保
→ 日予算を5〜10倍にする運用のため、最低でも1週間分の運用予算を用意しておくと安心です。
成果が出ているクリエイティブの準備
→ CIBSは配信量が増えるため、反応のよいバナーや動画がなければ機会損失に。過去実績を元にクリエイティブを選定しておきましょう。
CIBS運用で最も重要なステップが「日予算の大胆な設定変更」です。Meta広告では通常、配信機会を最適化するために“ペーシング機能”が働いており、広告の配信を残予算に応じてセーブする動きがあります。しかし、この仕組みが裏目に出て「成果が出そうな時間帯に広告が出せなかった」という事態も起こり得ます。
そこでCIBSでは、この制限を取り払うために日予算を通常よりも5~10倍に引き上げます。
たとえば普段3,000円で回している広告セットがある場合、CIBSでは思い切って15,000円~30,000円に設定します。
この数値にすることで、Metaのアルゴリズムは「この広告はもっと多く配信しても良い」と判断し、機会損失が減少。結果として、CPAが安定し、コンバージョンが増えるという流れが作れるのです。
ただし、上限なしに増やすのではなく、必ず事前に広告全体の月間予算とのバランスを取りつつ設定することが大切です。
Meta広告における「ペーシング機能」は、設定された日予算に基づいて広告の配信頻度やタイミングを自動でコントロールする仕組みです。これは予算の使い切りを防ぎつつ、一定の配信パフォーマンスを保つために存在します。しかし、この仕組みが時に“機会損失”を生んでしまうことがあるのが難点。
たとえば「今まさに購入意欲が高いユーザーが多い時間帯」にも、システムが「まだ今日の予算を温存しておこう」と判断して配信を抑えてしまうことがあります。
この自動制限を意図的に解除するのが、CIBSの真骨頂。
そのためのコツは、広告セットの「日予算を意図的に多く見せる」こと。
この設定により、Metaは「まだまだ配信できる余力がある」と判断し、配信頻度を積極的に上げます。
また、同時に曜日や時間帯の制限をすべて解除するのも重要なポイント。
「配信OKな時間をフル開放」することで、アルゴリズムの判断を縛らずに機会を最大限活用できるようになります。
CIBSは「とりあえず回してみよう」という運用よりも、明確な成果目標がある人・業種に向いています。特に広告の“タイミング”が成果を大きく左右するような商材やビジネスモデルと相性が良く、予算をある程度コントロールできる状況であれば、導入効果も期待できます。
ここでは、CIBSの導入で特に成果が出やすい業種と、少額予算での適応可否について解説します。
CIBSは“機会損失をなくす”という点で、ある種の「勢いが大事な商材」に向いています。
以下のような業種・商品は特に効果が出やすい傾向にあります。
D2Cブランド(アパレル・コスメなど)
→ 限定販売やセール情報との相性が抜群。瞬間的な購買行動を捉えられる。
サブスクリプション型サービス
→ 初回登録・トライアルキャンペーンなどで成果を量産しやすい。
美容・健康系商材
→ ユーザーの関心が高まった“瞬間”を取り逃がさないことが重要。
オンライン教育・講座系
→ キャンペーンや新学期など時期的な訴求とマッチする。
イベント・期間限定プロモーション
→ 決まった期間中に一気に集客したい場面で最大の力を発揮。
こうした「今すぐ行動してもらいたい系」の商品・サービスとCIBSは非常に好相性。
一方で、BtoBや高額商材など“検討期間が長いもの”には慎重な運用が必要です。
「日予算を5倍にするとか、そんな余裕ない…」という声、実はよくあります。
結論から言うと、少額予算でもCIBSは導入可能ですが、“設定の工夫”が必要です。
たとえば通常1日2,000円の運用をしている場合でも、短期集中型にして3日間だけ1万円ずつ使う、という方法なら実現できます。
また、広告セットを1つに絞ることで、配信ロジックを集中させ、効果を最大化させることも可能です。
大切なのは、配信量を増やす目的が“学習フェーズを早める”ことにあるという理解。
少額予算でこそ、集中配信による学習データの蓄積がカギになるのです。
「使える予算が限られているからこそ、最大限に効率よく使いたい」
そんな人にこそ、CIBSは実はおすすめの戦略とも言えるんです。
Meta広告には、CIBS以外にもCBO(キャンペーン予算最適化)やABO(広告セット予算最適化)など、複数の予算管理方式があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、目的に応じた使い分けが重要です。
このセクションでは、CIBSと他戦略との違いを明確にし、どう使い分ければよいかをわかりやすく整理していきます。
CIBSが独自のポジションにあるのは、Meta広告の“予算制御の裏側”に踏み込んで配信を最適化する点にあります。
一方、CBOやABOはより一般的かつ安定した運用スタイルであり、CIBSほど攻めた運用ではありません。
以下の表に、3つの戦略の違いを比較してまとめました。
戦略名 | 予算設定場所 | 特徴 | 向いている用途 |
---|---|---|---|
CIBS | 広告セット or キャンペーン | 日予算を大幅に増やし、機会損失を防ぐ | 獲得重視・短期集中・攻めの配信 |
CBO | キャンペーン | 複数の広告セットに自動で配分 | 配信全体を最適化したいとき |
ABO | 広告セット | 各セットごとに明確に予算を管理 | テスト配信や比較検証に最適 |
CIBSは、配信ボリュームを一気に上げて“短期的に成果を出したい”ときに非常に有効な手法。
逆に、CBOやABOは中長期で安定運用したい時に向いています。
CIBSは単独でも十分効果がありますが、状況によってはCBOとの併用も検討する価値があります。
たとえば、複数の広告セットを同時に運用していて、それぞれにCIBS的な高予算設定をしつつ、CBOで全体のバランスを取る…といった方法です。
ただし、設定が複雑になる分、広告運用に慣れている人向け。初心者であれば、まずは広告セット単位でCIBSを試し、成果を見ながら徐々にCBOとの併用に移行するのがおすすめです。
一方でABOとの併用は、目的が異なるため非推奨。ABOはテストや検証用に使うことが多く、CIBSのような集中配信には向いていません。
結論としては、
初心者 → 単独でCIBS
中級者以上 → CIBS+CBO併用
という使い分けがわかりやすい基準になります。
CIBSは成果が出やすい運用手法ではあるものの、「使い方を間違えると予算だけが消えていく」というリスクも持っています。
特に初心者がやりがちな設定ミスや、過信による運用ミスには注意が必要です。
このセクションでは、CIBSを始める前に知っておきたい“よくある落とし穴”と、それを回避するためのチェックポイントを解説していきます。
最初は1つの広告セットだけで試す
→ いきなり複数のキャンペーンでCIBSを導入すると、どこで失敗したかが見えなくなります。
広告の学習期間(7〜14日間)は辛抱強く待つ
→ 結果がすぐ出なくても焦らず、Metaの最適化が進むまで様子を見るのが大切です。
日予算の変更は極端に上下させない
→ 大きく上げ下げすると学習がリセットされてしまうため、慎重な調整を。
効果が出ない場合は“設定”より“クリエイティブ”を見直す
→ 配信自体はうまくいっていても、広告内容が刺さらなければ意味がありません。
季節要因や競合出稿量の影響も考慮する
→ 特定の時期はクリック単価が高騰する場合もあるので、成果だけでなく背景もチェックしましょう。
CIBSを導入したのに「思ったような成果が出ない…」ということももちろんあります。
そんなとき、焦って予算を戻したり設定をリセットするのはNGです。
まず確認すべきは学習期間が十分に経過したかどうか。MetaのAIは約7〜14日かけて最適な配信対象を見つけるため、それ以前の数値で判断するのは早すぎます。
次に見直すべきは、広告クリエイティブと訴求内容。
CIBSで配信機会が増えていても、「ユーザーが興味を持てない内容」では効果が出ないのは当然のことです。
また、ターゲットのセグメント設定が狭すぎる・広すぎるという点もチェック。適切な絞り込みがされていないと、配信はされても成果に結びつかない場合があります。
「設定ではなく、メッセージが届いていないだけかも?」と、一歩引いた視点で見直すことが、改善の第一歩になります。
CIBSを使って成果を上げるためには、次の3つのポイントを常に意識することが大切です。
それぞれの視点が整っていれば、失敗する確率はぐっと下がります。
配信量だけでなく、質の高いクリエイティブがあるか?
→ 予算をかけても「中身」が弱ければ反応は得られません。
学習期間中はデータを“育てる”意識で運用しているか?
→ 数字だけ見て慌てず、AIの最適化を信じる姿勢も大切です。
CIBSを回すのに十分な“予算管理と余裕”があるか?
→ 日予算を上げる以上、全体の費用感とのバランスを冷静に見る必要があります。
Meta広告で近年注目されている「CIBS(キャンペーン・インフレーション予算戦略)」は、広告の成果をより高めるための新しい運用方法です。これまでのように、毎日使う広告費を細かく決めるのではなく、あえてその日の予算を大きく設定するという特徴があります。
これは、Meta広告のシステムが、設定された予算内で広告が効率よく配信されるように自動で調整する仕組み(ペーシング機能)を利用したものです。CIBSでは、予算を大きく見せることで、システムに「まだ広告を出せる余裕がある」と認識させ、より多くの人に広告を表示する機会を得ることを目指します。
この戦略のメリットは、広告を見た人が商品を購入したり、サービスを利用したりする回数を増やしながら、一人当たりの獲得にかかる費用(CPA)を抑えられる可能性があることです。特に、期間限定のキャンペーンや、旬な情報に関心が高い顧客層に対して効果を発揮しやすいと考えられています。
ただし、CIBSを始めるにあたっては、目標とする顧客獲得単価を明確にすること、そして、日予算を増やすための十分な予算を用意することが大切です。また、魅力的な広告を作成し、配信する準備も欠かせません。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、CIBSは、限られた予算でより多くの成果を出したいと考える広告運用者にとって、有効な選択肢の一つとなり得ます。この新しい戦略を理解し、適切に活用することで、Meta広告を通じたビジネスの成長を促進することが期待されます。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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