更新日: 2025.04.15
「広告にお金をかけているのに、思ったような成果が出ない…」
SaaS業界でよくあるこの悩み、もしかすると“パートナー選び”が原因かもしれません。
実際、リスティング広告は運用の腕次第で成果が大きく変わるマーケティング手法です。特にSaaS商材は、検討期間が長く、LTVやCVRなどを意識した運用が求められるため、単なる広告代行では不十分です。
「リスティング広告はどこに頼んでも同じ」と思っていたら要注意。
実は、SaaS業界に特化したノウハウを持つ運用代行会社はごく一部しか存在せず、それ以外の会社に依頼しても“ピント外れ”の施策に終わるケースも少なくありません。
この記事では、SaaS業界で成果を出すためのリスティング広告運用代行の選び方を、初心者でもわかるように整理しています。
目次
リスティング広告は、SaaS業界において効率よくリードを獲得するための強力な武器です。
検索意図が明確なユーザーに対してピンポイントに訴求できるため、比較・検討フェーズにいる見込み顧客にアプローチしやすいのが最大の魅力。特にBtoBのSaaS商材は検討期間が長いため、検索行動に基づいたアプローチが成果に直結します。
SaaS商材の特徴は、初回購入よりも「継続利用」や「契約更新」に価値があるという点です。つまり、一度獲得した顧客を長く維持できるかがビジネスの生命線になります。
そのため、広告でただ集客するだけでなく、「本当に欲しい人だけを連れてくる設計」が求められます。
また、SaaSの多くはターゲットが明確です。業種、職種、企業規模など、ペルソナがはっきりしているため、検索キーワードを通じたターゲティングが非常に効果的。特に「〇〇 管理ツール 比較」「業務改善 SaaS」など、課題解決型の検索ワードに広告を表示することで、高い確率で興味関心の高いユーザーにリーチできます。
さらに、SaaSは基本的に無形商材のため、広告コピーやLPの説得力が重要。ここでもリスティング広告の「文言調整力」や「訴求A/Bテスト」が活きてきます。
その意味で、SaaSとリスティング広告は非常に相性が良い手法だと言えるでしょう。
SaaSビジネスでは、「認知 → 興味関心 → 比較検討 → 導入 → 継続利用」というカスタマージャーニーがあります。リスティング広告がもっとも効果を発揮するのは、比較検討〜導入直前のフェーズです。
たとえば、「クラウド型経理ソフト 比較」や「業務効率化 SaaS 導入」などのキーワードで検索している人は、すでにニーズが顕在化しており、導入候補を絞っている状態です。この段階のユーザーに対して自社の価値をしっかり伝えることができれば、高いCVR(コンバージョン率)が見込めます。
一方、認知フェーズではまだ「課題に気づいていない」状態の人が多いため、リスティング広告よりもSNS広告やコンテンツマーケが効果的です。
しかし、比較検討フェーズは、広告費をかけたぶんだけリターンが見込める「最も費用対効果の高いゾーン」とも言われています。
「今すぐ導入を考えているユーザーにだけ、広告を届けたい」
そんなSaaS企業にとって、リスティング広告は極めて理にかなった手法なのです。
リスティング広告運用代行は、広告の「設定・運用・分析・改善」を専門的に担ってくれるパートナーです。特にSaaS企業のように専門性の高い商材を扱う場合、正しい運用と継続的な改善が成果のカギを握ります。社内のリソースだけで対応するのが難しい場合にこそ、プロの力が効果を発揮します。
主な役割一覧
リスティング広告の代行業者とひとくちに言っても、提供範囲は業者ごとに大きく異なります。「広告を出すだけ」の業者もあれば、「LP制作・CV改善」までトータルで支援してくれる業者もあります。自社のリソースや目標に応じて、必要な範囲をカバーしてくれるパートナーを選ぶことが重要です。
たとえば、「とにかく広告の設定と運用だけお願いしたい」という場合は、運用特化型の業者が最適です。一方、「売上やCV数までコミットしてほしい」という場合には、マーケティング全体を見て提案してくれるフルサポート型の代行会社が合っています。
また、SaaSの場合は「LTV」や「契約更新率」などの視点を含めて広告運用する必要があるため、ただ広告を回すだけでなく、戦略的な提案ができる業者を選ぶことが非常に大切です。
代行範囲の例
代行会社にすべて丸投げしてしまうと、広告運用は一見スムーズに進んでいるように見えても、自社の意図とずれた方向に進んでしまうことがあります。SaaSビジネスは商材やユーザー理解が重要なため、マーケティング戦略の根幹は自社で握っておくべきです。
たとえば、サービスの強みやUSP(独自の価値提案)を明確に言語化できるのは、やはり社内のメンバー。そこに代行会社が持つ広告運用の知見を掛け合わせることで、より高いパフォーマンスが実現できます。
理想的なのは、「戦略:自社」「実行・改善:代行会社」という形。
特に最初の広告設計段階では密な連携が必要で、目指すゴール・ターゲット像・商材の魅力をきちんと共有することが成果を大きく左右します。
「ただ頼む」のではなく、「一緒に成果を出す」姿勢が、信頼できる代行会社との関係構築のカギになります。
SaaS業界は他の商材と比べて、リスティング広告に求められる戦略が根本的に異なります。
単に「クリックを増やす」「CVを増やす」といった表面的な数値ではなく、LTVやCACなど中長期的な視点が必要だからです。そのため、業界理解が浅い代行業者では、結果的に非効率な施策になってしまうことも。
SaaSに特化したパートナーこそ、信頼できる成果を出す鍵になります。
SaaSビジネスでは、「ひとつのCV(コンバージョン)」がゴールではありません。むしろその先の「継続率」や「LTV(顧客生涯価値)」をどう最大化するかが勝負どころです。
一方、広告にはコストがかかります。ここで重要なのが「CAC(顧客獲得単価)」です。LTVとCACのバランスがとれていなければ、見かけ上の獲得が増えても赤字になってしまうケースがあります。
だからこそ、リスティング広告運用代行には「CPAだけ見て満足する」のではなく、LTVとのバランスを理解し、全体の事業収益性を見ながら広告戦略を立てられるかどうかが重要な基準となります。
たとえば、LTVが高いSaaSなら、多少CPAが高くても問題ない場合もあります。逆にLTVが低い商材では、獲得単価の抑制が必須です。
こうした判断ができる運用代行は、数字に強く、マーケティング全体に精通している必要があります。
つまり「広告運用のプロ」ではなく、「SaaSマーケのプロ」であることが、成果を出せる代行業者の条件だと言えるでしょう。
SaaSのリスティング広告では、広告をクリックした先の「ランディングページ(LP)」の質がCVRに直結します。特にBtoB SaaSの場合、比較検討が前提のため、ただ情報を載せただけのLPでは離脱されやすく、獲得効率が悪くなります。
「どんな情報をどんな順序で伝えるか」「CVポイントをどこに配置するか」など、LP設計の細部が結果を左右します。
広告運用だけでなく、LPの企画・構成・改善提案まで対応できる代行業者であれば、広告→LP→CVまでの流れが一貫して最適化され、パフォーマンスが大幅に向上します。
さらに、SaaSならではの「無料トライアル」「ホワイトペーパーDL」など、複数のCVポイントを設ける戦略も重要。これらを前提にした構成ができる業者は限られています。
広告・LP・CVの全体設計がつながってはじめて、本当に意味のあるリスティング広告運用が実現します。
代行業者を選ぶ際は、「LPには触れません」ではなく、「成果を出すためならLPも含めて支援します」というスタンスの会社を選ぶのがおすすめです。
「どこに頼むか」で成果が大きく変わるリスティング広告。特にSaaS業界では、知識や実績のあるパートナーかどうかが命運を分けます。選定時には、ただ“有名”や“安い”ではなく、成果に直結するポイントをしっかりチェックすることが大切です。
チェックすべき6つのポイント
広告運用代行会社を選ぶ際、まずチェックすべきなのが「SaaS案件の実績があるかどうか」です。
なぜなら、SaaSは他の商材と比べて広告運用の設計がまったく異なるため、知識と経験がない業者では成果につながりにくいからです。
たとえば、SaaSでは「無料トライアル」や「資料請求」など、一次的なCVをどう本契約に繋げるかという長期的な視点が必要です。
この点を理解していない代行会社は、CV数ばかりを追いかけてしまい、LTVが低く質の悪いリードばかりを獲得してしまうという結果になりかねません。
実績を見る際は、「SaaS実績あります!」という表現だけではなく、具体的なジャンル(例:人事SaaS、会計SaaSなど)や、施策の詳細・成果数値まで聞くのがポイントです。
また、自社の業界に近いSaaS領域の実績がある会社なら、よりスムーズに成果の出る戦略が期待できます。「似た商材でどんな成果が出たか?」を必ず確認しましょう。
リスティング広告運用において、「広告を回して終わり」の姿勢では継続的な改善は望めません。特にSaaSでは、広告→LP→CV後のユーザー行動まで踏まえた改善が成果を大きく左右します。
そこで重要なのが、レポートの中身と分析をもとにした提案の有無です。
たとえば、ただ「今月のCV数は〇件でした」という報告だけでは意味がなく、「どのキーワードが効果的だったか」「どの広告文がクリック率が高かったか」「LPのどこで離脱が多かったか」といった詳細なデータと、それに基づく改善提案がセットになっていなければなりません。
また、SaaSでは商材の改善スピードが早いため、週単位や月単位で施策の見直しを提案できる柔軟さも必要です。レポートが“形だけ”の会社もあるので、「過去のレポート事例」などを見せてもらうのも有効です。
さらに、Google広告の基本指標(CTR、CVR、CPA)だけでなく、**SaaS独自の指標(LTV、リードの質、MQL化率など)**にも触れているかも判断ポイントです。
「数字を見て、考え、提案する力」がある会社ほど、長期的に信頼できるパートナーになってくれるでしょう。
「代理店にお願いしてるのに、いつまで経っても成果が出ない…」
そんな声の裏側には、担当者のスキル不足や理解の浅さがあることが少なくありません。
リスティング広告は、配信するだけでなく、戦略立案・効果検証・継続改善のプロセスが不可欠です。特にSaaS商材のようにユーザー理解が求められる領域では、担当者のマーケティング知識や業界経験がそのまま成果に直結します。
チェックすべきは、単に「広告運用の知識があるか」だけでなく、「SaaSビジネスの構造を理解しているか」「顧客の行動パターンやLTVへの影響を把握しているか」など、全体最適を考えられる視点を持っているかどうか。
また、属人化しすぎて1人しか対応できない体制では、トラブル時のリスクも。複数人でのフォロー体制や、体制紹介の透明性も見ておくと安心です。
リスティング広告代行にはさまざまな料金体系があり、契約後に「そんなにかかるの!?」と驚くケースも珍しくありません。
だからこそ、最初の段階で費用の構造が明確に説明されているかどうかは非常に重要です。
また、SaaS商材では長期的なリード育成やCV後の追客も必要になるため、初期費用が安いだけで選んでしまうと、必要な支援が足りず結局コスト高になることもあります。
特に注意すべきは「手数料型」の場合、広告費に応じて報酬が増える構造になっており、費用対効果の悪い施策でも継続されてしまうリスクがあります。
そのため、「成果報酬型」や「KPI連動型」など、自社の成果とリンクした契約形態を提案してくれる業者のほうが信頼しやすいです。
以下に代表的な費用形態をまとめます。
費用体系 | 概要 | 向いているケース |
---|---|---|
固定報酬型 | 月額定額で支払い、運用費用が安定 | 予算が決まっていて調整しやすい |
手数料型 | 広告費の○%を運用手数料として支払う | 広告費が多い場合は要注意 |
成果報酬型 | CVや売上など成果に応じて報酬を支払う | 初期費用を抑えつつ結果を重視したい場合 |
ハイブリッド型 | 固定+成果報酬の組み合わせ | 成果を追いながら安定も重視したい場合 |
費用の「安さ」ではなく、「納得できる成果に対する適正価格」かどうかを見極めましょう。
「広告はうまく配信できているのに、CVにつながらない…」
そんなときに見落とされがちなのが、ランディングページ(LP)やコンテンツの設計です。
特にSaaSの場合、無形商材のため訴求ポイントがぼやけやすく、伝え方次第でコンバージョンに大きく差が出ます。
だからこそ、広告運用だけでなく、LPやホワイトペーパー・バナー・動画などのコンテンツ制作にも対応できる運用代行は非常に心強い存在です。
また、CVポイントを「無料トライアル」や「資料ダウンロード」など複数持つのが一般的なSaaSにおいて、それぞれの導線を最適化する設計力も問われます。
代行会社を選ぶ際は、広告だけでなく「その先」のクリエイティブ部分にもどこまで踏み込んで提案してくれるかを確認しましょう。
一貫対応できる業者は、PDCAのスピードも早く、施策改善の精度が高い傾向にあります。
リスティング広告の運用では、定期的なコミュニケーションが不可欠です。特にSaaSのように商材やユーザー層が複雑な場合、少しの情報共有不足で施策がズレてしまうことがあります。
代行会社を選ぶ際に重要なのは、報告頻度とコミュニケーションの取りやすさです。月に1回のレポートだけではなく、施策改善のために週単位でのフィードバックや緊急時の調整ができる体制が整っているか確認しましょう。
また、広告運用中には予期せぬ変更や新たな課題が発生することがよくあります。その際に柔軟に対応できるかが非常に重要です。固定的なプランに縛られるのではなく、必要に応じて広告予算の調整や、ターゲティング変更など、速やかに対応してくれるパートナーを選ぶことが成功への近道となります。
SaaS広告においては、顧客獲得に繋がる「その一手」を見逃さないことが重要。そのため、担当者との密な連携と、問題が発生した場合の即時対応ができる代行業者を選ぶことが成功を導きます。
SaaS業界において、リスティング広告は比較・検討フェーズの見込み顧客に対して非常に効果的な集客手段です。しかし、その成果は「どの代行会社に任せるか」によって大きく変わります。
今回ご紹介したように、SaaSビジネスではLTVやCACなどの指標を意識した広告戦略が求められます。そのため、SaaS案件の実績があり、業界理解に長けた代行会社を選ぶことが非常に重要です。また、レポートの質や提案力、担当者の対応力も選定の大切な判断材料になります。
加えて、広告運用だけでなく、LPやコンテンツ制作にも踏み込んで支援してくれる会社であれば、広告→CVまでの導線を一貫して最適化できるため、より高い成果が期待できます。費用体系が明確で、必要に応じた柔軟なコミュニケーションが取れるパートナーであれば、長期的にも安心して任せられるはずです。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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