KPIツリーとは?基本と活用方法を具体例をもとに解説

更新日: 2024.09.27

近年、デジタルマーケティングの重要性が高まる中、その効果を最大化するためのフレームワークとして注目されているのが「KPIツリー」です。

KPIツリーは、Webマーケティングにおける目標達成のための指標を階層構造で整理し、可視化することで、戦略立案や施策の優先順位付けに役立ちます。

本記事では、KPIツリーの基本的な概念と構築方法を解説し、それを活用したWebマーケティング戦略の最適化について詳しく紹介します。KPIツリーを理解し、自社のマーケティング活動に適用することで、より効果的かつ効率的なマーケティングを実現できるでしょう。

KPIツリーとは

KPIツリーは、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)を階層構造で整理したフレームワークです。最上位のKPIを達成するために必要な下位のKPIを順次紐づけていくことで、目標達成までのプロセスを明確化します。

KPIツリーの基本構造は以下の通りです。

1. 最上位KPI:事業全体の目標を表す指標(売上、利益など)
2. 中間KPI:最上位KPIを達成するために必要な中間的な指標(訪問者数、コンバージョン率など)
3. 施策KPI:中間KPIを改善するための具体的な施策に紐づく指標(クリック率、バウンス率など)

この階層構造を可視化することで、各施策がどのようにして最上位の目標達成に貢献するのかを明らかにし、マーケティング戦略の最適化に役立てることができます。

KPIツリーの構築方法

KPIツリーを構築する際は、以下のステップに沿って進めていきます。

1. 最上位KPIの設定:事業全体の目標を表す指標を明確にする
2. 中間KPIの設定:最上位KPIを達成するために必要な中間的な指標を洗い出す
3. 施策KPIの設定:中間KPIを改善するための具体的な施策に紐づく指標を特定する
4. 階層構造の可視化:設定したKPIを階層構造で整理し、ツリー図として可視化する
5. KPIの優先順位付け:各KPIの重要度や影響度を評価し、優先順位を付ける

KPIツリーの構築には、マーケティング部門だけでなく、経営層や他部門との連携が欠かせません。組織全体で目標を共有し、各部門の役割を明確にすることで、より効果的なKPIツリーを構築できるでしょう。

KPIツリーを活用したWebマーケティング戦略の最適化

KPIツリーを活用することで、以下のようなメリットを享受しながら、Webマーケティング戦略を最適化できます。

目標達成のためのロードマップの明確化

KPIツリーは、最上位の目標から施策レベルまでのKPIを紐づけることで、目標達成までのロードマップを明確にします。

これにより、マーケティング施策の方向性が明確になり、戦略の最適化がしやすくなります。

施策の優先順位付けと資源配分の最適化

KPIツリーでは、各施策がどの程度目標達成に貢献するのかを可視化できます。

この情報を元に、施策の優先順位を付け、限られたリソースを最も効果の高い施策に集中的に配分することができます。

部門間の連携強化とコミュニケーションの円滑化

KPIツリーの構築には、組織全体の関与が必要不可欠です。

各部門がKPIツリーを共有することで、目標達成に向けて連携しやすくなり、コミュニケーションが円滑になります。

PDCAサイクルの適用と継続的な改善

KPIツリーを活用することで、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAサイクルを適用しやすくなります。

定期的にKPIの達成状況を評価し、必要に応じて施策を改善していくことで、継続的なマーケティング戦略の最適化が可能になります。

EC事業におけるKPIツリーの例

最上位KPI

– 売上高
– 目標: 四半期で10億円

中間KPI

– 訪問者数
– 目標: 月間100万PV
– コンバージョン率(CVR)
– 目標: 3%
– 平均注文単価(AOV)
– 目標: 8,000円

施策KPI

訪問者数を増やす施策

– SEO対策
– KPI: 自然検索流入数
– 目標: 月間50万PV
– Google広告
– KPI: クリック数
– 目標: 月間30万クリック
– SNS広告
– KPI: リーチ数
– 目標: 月間100万リーチ

 

コンバージョン率を改善する施策

– ユーザビリティ改善
– KPI: 離脱率
– 目標: 20%以下
– 商品ページ最適化
– KPI: 商品ページCVR
– 目標: 5%
– カート放棄対策
– KPI: カート放棄率
– 目標: 30%以下

 

平均注文単価を上げる施策

– アップセル
– KPI: アップセル商品の販売個数
– 目標: 月間1,000個
– クロスセル
– KPI: クロスセル商品の販売個数
– 目標: 月間2,000個
– 割引施策の最適化
– KPI: 割引適用率
– 目標: 15%以下

まとめ

KPIツリーは、Webマーケティング戦略を最適化するための強力なフレームワークです。目標達成までのロードマップを明確にし、施策の優先順位付けや資源配分の最適化を可能にします。また、部門間の連携を強化し、PDCAサイクルを適用することで、継続的な改善が実現できます。

自社のWebマーケティングにKPIツリーを活用することで、データドリブンな意思決定を行い、マーケティング ROI を最大化することができるでしょう。

まずは最上位の目標を設定し、それを達成するための中間KPIと施策KPIを特定することから始めてみてください。

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監修者プロフィール

木島 怜史

木島 怜史

株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート

前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。

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