更新日: 2024.09.02
リスティング広告は、能動的に検索行動をしているユーザーにアプローチすることができる獲得を目的とした広告配信に効果的な配信手法です。
リスティング広告の効果を最大限に引き出すためには、適切なキーワード選定が不可欠です。キーワード選定は、広告が表示される検索クエリを決定するため、ターゲットユーザーにリーチするための第一歩です。しかし、キーワード選定は単純に人気のあるワードを選ぶだけではなく、競争の激しさやユーザーの検索意図を考慮する必要があります。
本記事では、リスティング広告におけるキーワード選定の重要性と、その方法について詳しく解説します。
より効果的なリスティング広告を配信するためのヒントとなれば幸いです。
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目次
リスティング広告におけるキーワードとは、ユーザーがGoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで入力した検索語句に対して、広告を表示させる範囲を決めるために設定される単語やフレーズのことを指します。
具体的には、広告主はサービスや商品に関連するキーワードを推測し、それをリスティング広告の管理画面で登録します。すると、ユーザーが特定の検索語句で検索を行った際に、登録されたキーワードと関連性がある場合にリスティング広告が表示されるという仕組みです。
キーワードの選定を誤ると、自社の商品に興味のないユーザーに広告が表示され、広告の効果が得られない可能性もあります。適切なキーワードの選定は、ターゲットとなるユーザーにリーチするために重要な工程です。
関連記事:リスティング広告のやり方と、実施時に成果を高めるためのポイントについて
リスティング広告でキーワード選定を行う手順を解説します。
流れとしては、下記となります。
1.ターゲットユーザーの明確化
2.軸キーワードの選定
3.掛け合わせキーワードの選定
4.キーワードの組み合わせを作成
5.検索ボリューム
6.マッチタイプの決定
7.広告グループの作成
8.キーワードの除外設定
キーワード選定で活用できるツールを紹介しながら、詳しく説明していきます。
キーワード選定を行う前に、まずは自社のサービスや商品を必要とするターゲットユーザーの特性を明確にしましょう。
具体的には、年齢、性別、収入、職業などのユーザー属性を理解し、ライフスタイルや価値観などの心理的特徴を分析し、ユーザーの行動パターンを調査します。さらに、3C分析や4P分析を用いて競合分析を行い、競合他社のターゲットを調査して自社との違いを明確にすることも重要です。
これらの情報をもとにターゲットユーザーのカスタマージャーニーマップを作成することで、認知から獲得に至るまでのユーザーのタッチポイントを可視化し、各タッチポイントでの効果的なマーケティング戦略を構築することが可能になります。
リスティング広告のキーワードは、「軸キーワード」「掛け合わせキーワード」の2つの組み合わせからできています。トレーニングジムの入会数を伸ばすことが目的の場合は、「ジム」「トレーニングジム」「フィットネスクラブ」などが挙げられます。
軸キーワードがなかなか見つからない場合は、Google広告の「キーワードプランナー」というツールを活用しましょう。キーワードプランナーでは、入力した語句やWEBサイトURLに基づいて関連キーワードを抽出することができます。
次に、軸キーワードに組み合わせる「掛け合わせキーワード」を洗い出します。基本的に、掛け合わせキーワードは軸キーワードと組み合わせて検索される事が多い語句がメインとなります。
掛け合わせキーワードを探す際には、「ラッコキーワード」のサジェスト機能や「サクラサクLABO」の共起語調査ツール、Google広告の「キーワードプランナー」を活用しましょう!
▽ラッコキーワードを使用した際の「トレーニングジム」のサジェスト例
掛け合わせキーワードを一通り探し終えたら、カテゴリごとにキーワードを分類しましょう。そうすることで、後でキーワードごとに広告グループを分ける際に、訴求ごとに分類しやすくなります。
▽掛け合わせキーワードのカテゴリ分け例
「軸キーワード」と「掛け合わせキーワード」を組み合わせて、実際に入稿するキーワードの一覧を作成します。
それぞれの組み合わせパターンを作成する際には、「KARABINER」を使用すると簡単にキーワードの組み合わせ一覧を作成することができます。
▽キーワードの組み合わせ一覧例
さらに、「キーワードプランナー」の検索ボリューム予測機能を使用することで、キーワードごとの配信量や入札単価の推定値を確認することができます。
▽キーワードプランナーを使用した際の検索ボリューム・入札単価の例
リスティング広告では、キーワードのマッチタイプを設定することで、広告が表示される範囲をコントロールできます。
以下に、主なマッチタイプを説明します。
・ 部分一致:部分一致は、指定したキーワードやその類義語、関連する語句を含む検索語句に対して広告が表示されます。これには、指定したキーワードそのものが入っていない場合も含まれ、幅広いオーディエンスにリーチすることができますが、関連性の低い検索にも表示される可能性があります。
・フレーズ一致:フレーズ一致は、指定したキーワードと検索語句の内容が一致する場合に広告が表示されます。キーワードの前後に他の語句が追加されても広告が表示されるため、ターゲットが絞りやすいです。
・完全一致:完全一致は、指定したキーワードと完全に一致する検索語句に対してのみ広告が表示されます。最もターゲットが絞られ、無駄なクリックを避けることができますが、リーチ範囲は狭くなります。
各マッチタイプを効果的に活用することで、リスティング広告のパフォーマンスを向上させることができます。
リスティング広告のアカウント構造は、下記のようにアカウント>キャンペーン>広告グループ>広告文・キーワードという構造になっています。
※引用:公式/Google広告
そのため、作成したキーワードをサービスや訴求ごとにグループ分けしていく必要があります。広告グループでは、キーワードの他に広告文・遷移先LPを設定するため、この3つの要素の整合性がとれた分け方になっていることが重要です。
また、広告配信においては、LP・広告文・キーワードの関連性が、広告の掲載順位を決める「広告ランク」という指標に大きく関わってきます。遷移先や広告文の設定を見据えたうえで、広告グループごとにキーワードを分けていきましょう。
広告配信前のキーワード作成手順について解説してきましたが、広告配信が開始してからもキーワードの運用を行うことが重要です。
配信データを確認しながらキーワードの調整を継続的に行うことで、広告のパフォーマンスが変わってきますので、キーワード運用のポイントについても是非チェックしてください!
より効率よくリスティング広告を配信するため、除外キーワードを設定して、無関係な検索語句への広告配信を防ぎましょう。
広告配信データを確認し、ターゲットとは異なるユーザーや獲得に繋がりにくいユーザーに対して広告を表示していないか確認しましょう。例えば、トレーニングジムの入会数増加を目的としているのに、「トレーニングジム 採用」という検索語句に広告が表示されている場合は、「採用」を除外キーワードとして設定することで意図しないユーザーへの配信を防ぐことができます。
また、マッチタイプによっては、サービスや商品と関係のないキーワードに配信範囲が広がりすぎている場合もあります。
定期的に広告が表示された検索語句を確認し、除外キーワードを活用して、効率の良い広告配信を行いましょう。
広告媒体の入札戦略を「個別クリック単価」または「拡張クリック単価」にしている場合は、キーワードごとに入札単価を細かく設定することができます。
広告配信の成果を確認した上で、配信量を強めたいキーワードは入札単価を高めに設定し、逆に配信効率が悪く配信を抑えたいキーワードは入札単価を低めに設定するなど、キーワードごとに入札単価を細かくコントロールして、広告のパフォーマンスを高めましょう。
広告媒体の入札戦略を「コンバージョンの最大化」や「クリック数の最大化」など自動入札に設定している場合は、キーワードごとに入札単価を設定することができません。
そのため、あまりにも効率の悪いキーワードは停止して無駄な予算消化を抑えましょう。また、キーワードとして入稿してはいないものの、マッチタイプによるキーワードの広がりで獲得につながっていた検索語句は、キーワードとして入稿することでより多くの獲得を狙うことができる可能性があります。
このように、定期的にキーワードの精査を行い、より効率の良い広告配信のために調整を行っていきましょう。
リスティング広告は、能動的にサービスやその関連語句について検索しているホットなユーザーに対してアプローチできる広告媒体です。そして、その成果を最大化するためには、適切なキーワード選定と配信後の継続的なキーワードの調整が不可欠となります。
より効率の良い広告配信を行うために、今回ご紹介したキーワード選定と運用のポイントを是非参考にしてみてください!
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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