更新日: 2025.03.04
「最近、広告の成果が思うように伸びない…。」
「競合の広告が目立つようになって、自社のクリック数が減っている…。」
「気づいたらCPC(クリック単価)が上がって、広告費が圧迫されている…。」
こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
そんなときに活用すべきなのが、Google広告の「オークション分析レポート」です。
オークション分析レポートを使えば、競合の広告掲載状況や自社広告のポジションをデータで把握できます。
この記事では、オークション分析レポートの基本的な見方から、具体的な活用法までを詳しく解説します。
目次
オークション分析レポートとは、Google検索広告やGoogleショッピング広告において、同じオークションに参加した競合の掲載状況を分析できるレポートです。
このレポートを活用することで、自社の広告が競合と比較してどの位置に表示されているのかを把握できます。
リスティング広告は、基本的に「オークション形式」で広告枠が決定されます。
競合が増えたり、入札戦略が変わったりすると、自社広告の表示回数や掲載順位が変動することがあります。
そのため、競合の動向を定期的にチェックし、適切な運用戦略を立てることが重要です。
オークション分析レポートでは、以下のような情報を確認できます。
これらのデータを分析することで、競合の広告戦略を把握し、自社の広告運用を最適化するためのヒントを得ることができます。
オークション分析をする上で、確認できる指標は次の5つがあります。
インプレッションシェア
重複率
上位掲載率
ページ上部表示率
優位表示シェア
これらの指標について順番にご紹介していきます。
インプレッションシェアとは、広告が表示される可能性があった機会のうち、実際に広告が表示された回数の割合です。
インプレッションシェア = 表示回数 ÷ 広告が表示可能だった合計回数
例:インプレッションシェアが50%の場合
広告表示できる機会が1,000回のうち、実際は500回広告が表示されたということになります。
この数値が高いと、競合に比べて自社の広告がより高い頻度で表示されているという事がわかります。
※インプレッションシェアが10%未満の場合は、「10%未満」と表示されます。
重複率とは、同じオークション内で自社の広告と競合他社の広告が同時にインプレッションを獲得した割合です。
例えば、競合他社の重複率が50%の場合、自社の広告で獲得した表示回数の内50%は競合他社と同じタイミングで広告表示されているということになります。
この場合、ユーザーからは広告の比較対象となりやすいため、重複率の高い競合他社の広告文を比較することでクリック率やコンバージョン率が改善できる可能性があります。
また、重複率が高いほどクリック単価の高騰に影響されます。
競合他社の広告が自社の広告よりも上位に表示された割合です。
これは、競合他社と自社が同時に表示された場合の割合を指します。
そのため、競合他社の上部掲載率が高いほど、自社の広告は下部に表示されているということになります。
実際の検索結果画面にて自社の広告がページ上部に表示された割合です。
ここでいうページ上部とは、オーガニック検索の自然検索結果の上部に掲載される枠を指します。
※検索結果画面の上部に表示される広告枠は最大で4つ
実際の検索結果画面にて自社の広告がページの最上部に表示された割合です。
ページ上部表示率との違いは検索結果画面にて4枠の内どれかを指すものに対して、ページ最上部表示率は1番目の表示のみを指します。
オークションで自社の広告が競合他社の広告よりも上位に掲載された割合、または自社広告のみが掲載された割合です。この指標が高い数値であるほど、自社の広告がより掲載されているということになります。
オークション分析の確認方法は大きく分けて次の3種類があります。
キャンペーン単位
広告グループ単位
キーワード単位
こちらについても順番に解説します。
キャンペーン階層にて、
キャンペーンを選択>「オークション分析」をクリック
すると、オークション分析の画面へ切り替わります。
右上の分類から日・週・月ごとなどで表示方法を切り替えて下図のように詳細まで確認することができます。
広告グループ階層にて、
広告グループを選択>「オークション分析」をクリック
他の階層と同様に期間の変更や分類を選択
キーワードの階層にて、キーワードを選択>「オークション分析」をクリック
入札しているキーワードや、その中でも配信ボリュームが大きく競争率の高いキーワード、またコンバージョンが発生しているキーワードのみに絞るなど、より詳細に競合他社を確認することができます。
但し、データの母数が蓄積されていないと競合の出稿状況や自社の配信状況が確認できないことがあります。
オークション分析レポートを確認する際のポイント
競合の変化を定期的にチェックすることが重要(週次・月次の比較がおすすめ)
ターゲットとするデバイスや地域を指定して分析する(スマホ・PCなどで掲載状況が異なる)
指標ごとの変動が広告成果にどのような影響を与えているかを考える
自社の広告が検索結果画面の上部、最上部ではどのくらい配信ができているのか?など配信状況を俯瞰して見ることができます。
競合他社の広告はいつから配信を強化しているのか?自社の広告に比べどのくらい上位に表示されているのか?など競合他社の広告配信状況を時系列で確認することができます。
ここまで、Google広告のオークション分析についてご紹介してきましたが、
では実際にどんな場面で使えるのか、いくつか利用シーンをご紹介します。
掲載順位が下がる要因の1つとして、競合他社の増加があげられます。
そんな時は、オークション分析にて「ページ上部表示率」または「ページ最上部表示率」を確認してみましょう。自社の数値が高いほど、競合他社に比べて上部に広告が掲載されているということになります。
広告管理画面の「広告プレビューと診断」からも、実際の検索結果画面で自社の広告がどこに表示されているかがわかります。この機能は表示回数がカウントされないため、広告の掲載結果データに影響を与えることなく、検索結果を確認できます。
広告管理画面より、ツールと設定」>「広告プレビューと診断」
広告プレビューと診断ツールへ画面が切り替わります。
そこで、調べたいキーワードを入力>プレビューを選択
下の赤枠内にて、実際の検索結果画面と同様の画面が表示されます。
また、掲載順位が下がる他の要因として、広告ランクの低下も考えられます。
広告ランク=入札単価×品質スコアで決まるため、
この場合は、入札単価を強めるか、品質スコアの改善が必要となります。
クリック単価が高騰しているときに起こりうる要因は複数考えられますが、
要因の一つとして、競合他社の広告が入札を強化していることが考えられます。
特に自動入札など、上限クリック単価を設定することができない入札戦略を選択している場合、
オークションで競り勝つために、クリック単価を上げてでも獲得ができるよう機械学習が働くこともあります。
狙いたいキーワードでどのくらい競合が広告出稿をしているのかを確認することによって、人気なキーワードほどオークションでの競争率は高くなり、上位表示される可能性が低くなるためキーワードを再選定する必要があるかもしれません。
オークション分析の重複率が高い競合において、かつ自社の広告よりも上部に掲載されている場合、その企業の広告文をチェックしてみましょう。上位表示されている企業と比較することで、自社の広告よりも強い訴求ができている可能性があるため、広告文の見直しからクリック率やコンバージョン率を改善するポイントを見つけるのも一つの手です。
オークション分析レポートを活用することで、競合の広告掲載状況を把握し、自社の広告運用を最適化することが可能です。競争が激化する中で成果を最大化するためには、データをもとに適切な対策を講じることが重要になります。
競合の掲載順位が上昇している場合は、入札単価の調整や品質スコアの改善を行い、競争力を維持する必要があります。クリック単価が高騰した際には、ターゲティングの見直しや、競争の少ないキーワードへのシフトが有効です。クリック率やコンバージョン率が低下している場合は、広告文の最適化やランディングページの改善を行うことで、より効果的な広告運用が可能になります。
オークション分析レポートは、単に競合の動向を知るためのツールではなく、広告戦略を見直し、最適なマーケティング施策を実施するための重要な指標を提供してくれます。定期的にデータをチェックし、戦略的に活用することで、広告の成果をより高めることができるでしょう。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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