更新日: 2024.09.02
年明け1月は、正月太り解消等の需要の高まりが影響して、多くのフィットネススタジオやジムにおいていわゆる「かきいれ時」であると言われています。また、夏に向けた5〜9月も同様に繁忙期となる傾向があります。そのような時期は顧客獲得の機会となるため、より多くの入会を獲得すべく、オンライン・オフラインにおいて様々な施策を行っている企業も多いでしょう。
しかし、オフライン施策に関してはこれまで力を入れていたものの、特にコロナ禍を経て必要性が高まったオンラインの集客施策に関しては、まだまだ知見が足りず効果的な戦略を練ることができていない、と感じる面もあるかもしれません。
本記事では、上記のようなお悩みに対して、WEB上での集客におけるポイントを整理して解説します。「各施策にはどのような狙いがあるのか」を確実に把握し、自社の集客に役立てていただければ幸いです。
目次
まず施策そのものを立案するためには、ターゲットユーザーを明確に想定・設定することが重要となります。これはWEBに限った話ではなく、マーケティング戦略立案の前提として重要な工程です。WEB施策を行う上で、ターゲットの設定は以下の観点から必要であるといえます。
SEO対策やWEB広告における対策すべきキーワードの選定
効果的に自社の強みを訴求するためのサイトデザインの決定
では、実際にどのようなユーザーを獲得したいか、ターゲットを想定しましょう。今回は、女性専用のフィットネスジムにおける集客について考えていきます。
まず提供サービスから考えると、ターゲットは女性となります。次に、スタジオがある立地について見てみましょう。顧客が入会や継続をするうえで、通いやすさの観点から立地は重要な決め手の一つとなります。となると、そこに集まりやすい属性の女性をターゲットにするという切り口から考えていくべきでしょう。周辺に多く集まる人の属性は会社員の人が多いでしょうか。それとも学生や、日中時間が調整しやすい主婦の方でしょうか。このように、性別以外のターゲットユーザーの属性をより詳細に明確化していきます。
また、ジムを選ぶ基準で最も多いのが値段です。お得感や安さ訴求はやはり最もインパクトが大きくなるでしょう。
次いで、女性のジムやフィットネスの決め手として重要なのが、施設の清潔さや充実度、スタッフの対応、つまりは実際のスタジオの雰囲気や様子といえます。女性としては更衣室等の清潔感がより気になる、というニーズがあることが推察されますし、スタッフの雰囲気も、運動に苦手意識があっても手厚くサポートしてくれそうなのか、それとも個人で集中して黙々とストイックにワークアウトできる雰囲気なのか、それによって入会の検討度合いも変わってくるでしょう。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000331.000018991.html)
また上記とも関連しますが、狙っているユーザーが運動をする目的はどうでしょう。ダイエットなのか、運動不足解消なのか、ストレス発散なのか、個々に違いはあるでしょうが、メインターゲットがどのくらいの強度で運動をしたいのか、それによって、申し込み獲得の観点からより効果的なキーワードや訴求内容を精査していくことができます。
上記のようなポイントからターゲットユーザーをより詳細に設定し、訴求点をしっかり明確化することで、キーワードの精査やサイト構成の設計を集客においてより効果的に行うことができます。
ということで、今回の想定ターゲットは、会社員の30代女性とします。年末年始の忘年会・新年会シーズンで外食が増えて、最近体型が気になるようになったためダイエットを検討しています。ジムやフィットネスの利用経験もなく、日常的な運動習慣はないユーザーです。もしジムに入会するのであれば、職場の帰り道にさっと通って帰るので、時間帯としては平日夜がメインの利用時間帯になるでしょう。
この前提をもとに、各施策のポイントを見ていきましょう。
まずはSEOについて、前述のターゲットの流入やサイトにおけるコンバージョン(体験レッスン申し込み)を獲得するための効果的な対策キーワードを精査していきます。スタジオの立地が駅からの距離が近ければ、「フィットネス 女性専用 新宿」「フィットネス 近く」など距離や地名・駅名に関連するキーワードを対策すると有利となります。
では、その他にはどのようなキーワードが考えられるでしょうか。「女性のみ フィットネス」「フィットネス ダイエット」のようなサービスの軸となるキーワードや、「女性専用 ジム おすすめ」といったおすすめかけあわせキーワード、「24時間 ジム 女性専用」「サーキットトレーニング 女性専用」といったように、「フィットネス」以外の単語かけあわせや、24時間やトレーニング内容関連のキーワードも対策していくと良いでしょう。
また、自社の強みによっては、競合他社サイトも何となく見て、「もっとこういうサービスがあるところはないかな」「価格がもっと安いところが良い」という比較検討ニーズを持ったユーザーも刈り取るため、「女性専用ジム 通い放題」や「女性向けフィットネス 安い」というキーワードも対策する必要があります。
上記のような対策キーワードを精査したら、「どのキーワードをサイト内のどのページに盛り込んで対策していくか」を設計し、ページのtitleやhタグ、テキストコンテンツに盛り込んでいきます。
上記はジムやフィットネス入会を検討している、いわゆるニーズが顕在化しているユーザーに対する施策です。これに加えて、集客の範囲を広げるためには、ジムの入会までは検討していないがダイエットの知識に興味がある、いわゆる準顕在層や潜在層へもアプローチしていく必要があります。
そこで実施すべき施策として、コンテンツマーケティングが挙げられます。昨今では、ダイエットや食事の知識を検索で手軽に入手することができ、それに基づいて自分自身でダイエットに取り組む人も少なくないでしょう。そういった層に対して、ダイエットや筋トレに関する知識はもちろん、ジムやフィットネスに関する困りごとや不明点へのアンサーコンテンツを配信することで、潜在顧客の刈り取りやそれらのユーザーのナーチャリングを行っていきます。「調べればすぐに情報を入手できる」という状況であるからこそ、潜在顧客への接触の機会はそれだけ多くなっていると言えるでしょう。
「ダイエット 食事」「正月太り 解消」「有酸素運動 何がいい」という知識系のコンテンツや、「ジムに通うメリット 女性」といった、準顕在層に向けた入会検討に関連するコンテンツを配信し、そこから「ジムやフィットネスに通うのは気が引ける」といった心理的障壁を払拭したり、「自分自身で行うよりプロに相談したい」というニーズを創出したりすることで、WEB上のゴールである体験レッスン申し込みに繋げることができます。
上記の施策で流入を獲得したら、次はそこからより多くのユーザーを体験レッスン申込みに繋げる施策を行いましょう。そこで、サイト内のコンテンツやUI/UXが適したものになっているかを確認します。
たとえば、TOPページのファーストビューはどうでしょう。ファーストビューはほぼすべての流入ユーザーが目にする部分であり、ここで訴求ポイントをキャッチコピーなどで明確に伝えることが重要です。フィットネスに通った経験がなく、運動習慣がないユーザーであれば、「入会しても続けられるか分からない」「運動をやったことがなくても大丈夫だろうか」といった懸念が申し込みへのハードルとなります。
そこで、「初心者さん大歓迎!スタッフがあなたと一緒に頑張ります」といったキャッチコピーで「スタッフが手厚くサポートしてくれそう」「フィットネス初心者でも安心」という安心感を打ち出していきます。また、スタジオ内の写真を掲載することで、清潔感のある施設であることを訴求していくと良いでしょう。
他にも集客施策として、SNSの運用やWEB広告施策も挙げられます。
コラム制作では時間がかかってしまい、どうしても部署や現場スタッフのリソースを割くことが難しい、といった場合もあるでしょう。
その場合は、手軽に投稿できるSNSを活用することも一つの手段です。2020年のコロナ禍における自粛期間真っ只中は、「筋トレチャレンジ」や「おうちトレーニング」等、オンラインでもできるトレーニング配信を行っていたフィットネススタジオが多く存在し、その流れでSNSの投稿や配信の活用の可能性が広がったと言えます。
イベントや普段のスタジオレッスンの様子を撮影して投稿したり、筋トレのワンポイントアドバイス等のショート動画を配信したりといった施策を行い、ユーザーの感情に親しみを与えて興味を喚起すると同時に、フィットネスのコンセプトを伝えることもできます。
また、SEOやコンテンツマーケティングは中長期的な施策であることが前提であり、効果が出るまでにはどうしても期間を要してしまうという面もあります。
特に、スタジオの新規オープン時やキャンペーン期間中はさらなる流入拡大を図るためにも、即効性のある施策が重要となります。その場合は、WEB広告によって顕在層をすぐに獲得していく施策がおすすめです。
ジムの比較検討のために検索しているユーザーに対してリスティング広告を配信したり、Instagram上で筋トレやワークアウトの動画に興味関心のあるユーザーに対してリール広告を配信したりすることで、短期的な集客増加を図ります。
フィットネスやジムの集客においては、従来の街頭でのビラ配りや友達紹介キャンペーン等のオフライン施策も未だ重要な役割を担っており、そこに注力するジムやスタジオも少なくないでしょう。
しかし、コロナ禍を機に上記の施策が難しくなった状況も経て、オンラインの活用という手段もまた必要であることが近年で浮き彫りになってきています。こういった状況下で、効率よく集客するためにも、従来のオフライン施策にのみ注力して終わるのではなく、WEBでの集客もまた戦略的に行うことが大事であると言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか?皆さんにとって有用なコンテンツとなっていれば幸いです。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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