更新日: 2024.11.13
インターネットを利用していると必ず目にする「ドメイン」。
ウェブサイトのアドレスに使われる「.com」や「.jp」という文字列を見たことがある方も多いでしょう。
今回は、このドメインについて初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
目次
ドメインとは、インターネット上の住所のような役割を果たす文字列です。
例えば、「www.example.com」というウェブサイトのアドレスがあった場合、「example.com」の部分がドメインにあたります。本来、ウェブサイトは数字の羅列(IPアドレス)で管理されていますが、人間が覚えやすいように文字列で表現したものがドメインなのです。
ドメイン名は、いくつかの要素で構成されています。最も右側にある「.com」や「.jp」などの部分を「トップレベルドメイン(TLD)」と呼びます。
TLDには大きく分けて、「.com」「.net」「.org」などの一般トップレベルドメイン(gTLD)と、「.jp」(日本)「.uk」(イギリス)などの国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)があります。
また、「www」のような、ドメインの左側に追加される部分は「サブドメイン」と呼ばれ、同じドメイン内での区分けに使用されます。
最も一般的なドメインは「.com」で、主に企業やビジネス用途で使用されています。
「.net」は元々ネットワーク関連の組織向けでしたが、現在は広く一般にも使用されています。
「.org」は非営利組織向けとされていましたが、現在は制限なく使用可能です。
日本では、「.jp」ドメインが広く使用されています。特に企業向けの「.co.jp」は、日本の企業であることを示す信頼性の高いドメインとして知られています。最近では、「.shop」や「.blog」など、用途に特化した新しいドメインも増えてきています。
ドメインを取得するには、まず希望するドメイン名が使用可能かどうかを確認する必要があります。
これは、ドメイン登録会社(レジストラ)のウェブサイトで簡単に検索することができます。
使用可能なドメインが見つかったら、レジストラを通じて登録手続きを行います。
レジストラの選択は、料金、サポート体制、追加サービスなどを比較検討して決めましょう。登録には通常、年間1,000円から数千円程度の費用がかかります。
ドメインを取得したら、ネームサーバーの設定が必要です。
これは、ドメインとウェブサイトを紐付けるための設定です。
多くの場合、レンタルサーバーを利用している場合は、サーバー会社が提供するネームサーバーを使用します。
また、Whois情報と呼ばれる、ドメインの所有者情報の管理も重要です。これは、ドメインの所有者や連絡先を公開するデータベースですが、最近では個人情報保護のため、代理公開サービスを利用することも一般的です。
ドメインを選ぶ際は、以下のような点に注意が必要です。
まず、覚えやすく、タイプミスが起きにくい名前を選びましょう。また、ビジネスで使用する場合は、ブランドイメージに合った名前を選ぶことが重要です。
将来の事業展開も考慮に入れ、似たような名前のドメインも合わせて取得しておくことをお勧めします。特に、.comと.jpのように、主要なドメインは押さえておくと良いでしょう。
ドメイン取得時における商標権の確認は、ビジネスを展開する上で非常に重要です。他社の商標を含むドメインを取得してしまうと、後から高額な賠償金を請求されたり、ドメインの移管を強制されたりする可能性があります。特に、グローバルに展開している企業の商標には十分な注意が必要です。
商標権の確認には、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)などのデータベースを活用することができます。ただし、商標は国ごとに登録されているため、海外展開を考えている場合は、展開予定の国の商標データベースも確認する必要があります。また、商標権は業界や分野によって保護範囲が異なるため、専門家への相談も検討すべきでしょう。
有名企業になりすましたドメイン取得は、法的問題だけでなく、消費者を欺く重大な違法行為となります。
特に、企業名に似た文字列や、一文字違いのドメインを取得する「タイポスクワッティング」と呼ばれる行為は、フィッシング詐欺などに悪用される可能性が高く、厳重に注意が必要です。
正当な企業が自社ブランドを守るために、類似ドメインを予防的に取得することは推奨されますが、他社のブランドに便乗したドメイン取得は避けるべきです。
ドメインの更新忘れによる失効は、サイトの存続やビジネスに致命的な影響を与える可能性があります。一度失効したドメインは、他者による取得が可能となり、取り戻すのが困難になる場合があります。さらに、そのドメインが悪用され、フィッシングサイトなどに使用されるリスクもあります。
更新管理を確実に行うためには、以下のような体制構築が重要です。
まず、更新担当者を明確に定め、バックアップの担当者も設定します。更新時期の3ヶ月前、1ヶ月前、1週間前というように、複数のタイミングでリマインドを設定することで、更新忘れを防ぐことができます。
また、クレジットカードによる自動更新設定を利用する場合は、カードの有効期限切れにも注意が必要です。カード情報の更新忘れにより、自動更新が失敗するケースも少なくありません。
重要なドメインについては、複数年分をまとめて更新することも検討しましょう。これにより、毎年の更新手続きの負担を減らすことができ、更新忘れのリスクも低減できます。
ドメインの登録情報や契約書類は、重要な財産として適切に管理する必要があります。特に以下の書類は、安全な場所に保管しておくことが重要です。
・ドメイン登録証明書
・レジストラとの契約書
・登録情報の控え
・更新履歴の記録
・支払い関連の証憑
また、これらの情報は定期的にバックアップを取り、複数の場所で保管することをお勧めします。
ドメインに関するトラブルは、適切な対策と管理により多くを未然に防ぐことができます。以下、主要なトラブルとその対処法について詳しく解説していきます。
最も頻繁に発生するのが、ネームサーバーの設定ミスです。誤った設定により、ウェブサイトにアクセスできなくなるケースが多く見られます。この場合、まずレジストラの管理画面でネームサーバーの設定を確認し、レンタルサーバー会社から提供された正確な情報と照合する必要があります。設定が異なっている場合は、正しい情報に修正しますが、その際、反映まで最大48時間程度の時間がかかることを念頭に置く必要があります。
また、ネームサーバーの設定を変更した直後は、インターネット上に情報が行き渡るまでの「DNSの浸透待ち」と呼ばれる期間があります。この間はアクセスが不安定になる可能性があるため、更新作業は深夜など、アクセスの少ない時間帯に行うことが推奨されます。
更新忘れによるドメイン失効は、事業に重大な影響を及ぼす可能性があるトラブルです。これを防ぐためには、更新管理システムの構築が不可欠です。具体的には、更新日をカレンダーに登録し、複数の担当者で管理することが重要です。また、可能な限り自動更新設定を活用し、更新通知メールの宛先も複数設定しておくことで、更新忘れのリスクを最小限に抑えることができます。
期限ギリギリではなく、余裕を持って更新することも重要です。万が一の場合に備えて、主要ドメインが失効した際の代替となる類似ドメインを確保しておくことも、リスク管理の一環として効果的です。
メールサーバーやサブドメインの設定に関する問題も頻繁に発生します。特にMXレコードの設定ミスは、メールの送受信ができなくなるという重大な問題を引き起こします。このような事態を防ぐためには、MXレコードの値とメールサーバー情報の整合性を定期的にチェックする必要があります。
また、AレコードやCNAMEレコードの設定ミスにより、サブドメインやWWWなしでのアクセスができなくなるといったトラブルも発生します。これらの設定は、変更後に必ず動作確認を行うことが重要です。
不正アクセスによる設定改ざんを防ぐため、強固なパスワード設定と二段階認証の導入が必要です。また、管理画面へのアクセス制限を設定し、定期的なセキュリティ監査を実施することで、不正アクセスのリスクを低減できます。
ドメインハイジャック対策としては、レジストラロック機能を活用し、Whois情報を適切に管理することが重要です。また、不審な連絡や請求には十分な注意を払う必要があります。
トラブルを未然に防ぐために、月に一度程度の定期的な設定確認が推奨されます。具体的には、ネームサーバーの設定状態、DNSレコードの設定内容、Whois情報の正確性、SSL証明書の有効期限などを確認します。
また、設定情報の定期的なバックアップと復旧手順の文書化、緊急連絡先リストの整備も重要です。特に重要なドメインについては、異なるレジストラで予備のドメインを確保することで、リスクを分散させることができます。
問題が発生した場合は、まず状況の切り分けを行います。ドメイン設定の問題なのか、サーバーの問題なのか、あるいはネットワークの問題なのかを見極めることが重要です。その上で、適切な対応窓口(レジストラのサポート、サーバー会社のサポート、社内IT部門など)に連絡を取ります。
また、問題解決までの一時的な対応として、代替ドメインの使用やキャッシュの活用、DNS設定の一時的変更などの対策を講じることで、サービスの継続性を確保することができます。
このように、ドメインに関するトラブルは多岐にわたりますが、適切な予防策と管理体制を整えることで、多くの問題を未然に防ぐことが可能です。また、トラブルが発生した際の対応手順を予めマニュアル化しておくことで、迅速な復旧が可能となります。
ドメインは、インターネット上の重要な資産です。適切に選択し、管理することで、安定したウェブサイトの運用が可能になります。初めは難しく感じるかもしれませんが、基本的な知識を身につけることで、効果的なドメインの活用が可能になります。
特に企業のウェブサイトでは、ドメインの選択が信頼性やブランドイメージに直結します。この記事で紹介した内容を参考に、目的に合ったドメインを選択し、適切に管理していくことをお勧めします。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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