更新日: 2024.06.05
趣味の習い事は多岐にわたりますが、そのうちの一つにダンスがあります。近年は、SNSやメディアの影響でダンスに興味をもち、「自分も始めてみようかな」と、ダンススクールを探すためにネット検索を利用するユーザーも存在します。
そういった人々を集客するために、自社のダンススクールでもWEBサイトを作ってみたものの、なかなか体験レッスンへの申し込み数への影響が見えない、といったことを経験した担当者の方もいるでしょう。
その場合、「サイトの作りがWEBでの集客に本当に適しているのか」見直すことを推奨します。
この記事は、以下のような方を対象としています。
ダンススクールのサイトを運営しているが、なかなか流入が増えなくて困っている
入会に繋げるための体験レッスンの申し込み件数を増やしたい
成約につながるサイトにしたいが、どのポイントを見ればよいか分からない
目次
どのようなサイト・サービスにおいても共通して言えることですが、施策を検討する前に、まずは「主にどういったユーザーに訴求したいか」「どのようなユーザーをサイトに集客したいか」といった、ターゲットユーザー像を明確にする必要があります。
それによって、対策すべきキーワードや訴求ポイントが異なるためです。
ここでは、以下のようなユーザーをメインターゲットと想定します。
20代後半~30代後半までの社会人女性:仕事帰りや土日などの休日に通いやすい
これまでダンスの経験がほとんどない初心者
職場や生活圏が東京23区内
上記のようなユーザーに向けてどのような内容の施策が打てるか、考えていきましょう。
SEOとは、検索エンジンから高い評価を獲得し、検索結果画面における上位表示を狙う施策です。(SEOの概要については、こちらの記事で解説しています)この記事では、日本国内でメジャーな検索エンジンであるGoogleの対策を前提として考えていきます。
今回の場合、ターゲットユーザーはどのようなキーワードを使用してダンススクールを探すと想定されるでしょうか。
まずは「ダンス教室 渋谷」「ダンススクール 駅チカ」といった、地域や立地に関するキーワードが考えられるでしょう。
また「ダンス 大人 初心者」「ダンス教室 初心者」といった「初心者」関連のキーワードや「ダンス教室 夜までやってる」「ダンススクール 土日」等の開講日時関連のキーワード、さらにもう少し踏み込んで「HIPHOPダンス 初めて」「JAZZダンス 教室」といった、ダンスのジャンルを含むキーワードも考えられます。
ダンススクールのような、「実際にその場に赴いて受ける」タイプのサービスでは、現場への行きやすさ、すなわち地域や立地に関する検索需要があるため、マップ検索エンジン最適化(MEO)も一つの対策手段となるでしょう。
しかし、上位表示は立地という外的要因に左右されます。自社の教室が競合と比べて駅の近くで開校していれば確かに有利ですが、遠い場合は、MEOだけでは対策に限界があります。
また、マップでは上位表示されるからといって、ユーザーは100%そこから流入するわけではないため、やはりMEOだけでは不十分です。
そのため、立地に左右されづらいキーワードでも上位表示を狙って対策をすることが必要であると言えます。この場合は「初心者」関連や開講日時、ダンスジャンル関連のキーワードで上位を狙う余地があります。
ここで、対策するキーワードの検索数をキーワードプランナーで見てみましょう。例えば「ダンス 大人 初心者」というキーワードは検索数が1900と大きく、一方で「JAZZダンス 教室」というキーワードの検索数は10と、極端に小さくなっています。(対象期間:2020年3月~2024年2月)
検索数が大きければ大きいほど検索需要も大きく、「ダンス 大人 初心者」は、比較的多く検索されているキーワードであるため、集客拡大を図り、上位表示を狙う施策をうつべきキーワードであると言えます。
そうなると、検索数の小さいキーワードは対策の必要がないのでしょうか。上記の例で考えると、「JAZZダンス 教室」と検索するユーザーは、すでに習いたいダンスのジャンルが明確であり、顕在層の中でもよりCVに近いユーザーであると考えられます。
単なる集客数の拡大だけではなく、最終的な体験レッスン申し込み、すなわち売上増加という最終目標を踏まえると、検索数が小さくともCVに近いと考えられるキーワードも漏らさず対策する必要があります。
では、これらのキーワードを実際にどのように対策するか考えてきます。検索エンジンで上位表示するためには、「そのキーワードで検索するユーザーが欲しい情報があるページか」といったポイントが重要になってきます。
「ダンス 大人 初心者」と検索するユーザーは、「大人でも安心してダンスを始められる場所を探している」と考えられるため、「はじめての方へ」といったページを作成し、大人でダンスを始めることのメリットの訴求や不安点の払拭をするような内容にします。
また、「JAZZダンス 教室」と検索するユーザーは「特にJAZZダンスに興味があり、習うことができる場所を探している」と考えられるため、開講ジャンル一覧ページにJAZZダンスの解説や自社の教室でJAZZダンスを習うことのメリットなどを訴求して対策することができます。
これらのページのコンテンツやmetaタグを、対策キーワードの盛り込みを意識しながら作成し、対策するとより効果的といえます。
SEOの他には、WEB集客の手法として広告施策が挙げられます。リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などがありますが、今回はその中でもSNS広告、特に、Instagram広告での集客を図ります。
Instagramというビジュアル重視のプラットフォームで、魅力的なコンテンツを展示することで、集客率を向上させる施策です。
具体的には、リール動画など短いクリップを使い、レッスンの様子を伝えます。特に「ダンス初心者でも安心」というメッセージを強調することで、興味を引き、体験レッスン申し込みの獲得に繋げることができると推察されます。
ここまで、「ダンスを習える場所を探したい」という、いわゆる顕在層に向けた施策の例をご紹介しました。しかし、上記のようなニーズがはっきりしているユーザーの範囲は限られるため、そのような層だけを狙って刈り取るだけでは、いずれ集客の余地に限界が訪れます。
そこで、「習い事レベルでは特に検討していないが、ダンスを見たりするのが好き、気になる」といった、潜在層へ向けたコンテンツを作成し、そこで獲得したユーザーをリードとして育てていく施策も同時に行っていくことも重要となります。
今回のケースでは、いわゆるオウンドメディアによるコンテンツマーケティングを行っていきましょう。
これは、サイトに流入した段階では「ダンスを習いたい」というニーズが顕在化していないユーザーに対して興味づけを行い、ニーズを育てていくことでCVとなる体験レッスンの申し込みへつなげていくのが狙いとなります。
このような施策の一つとして、ブログの作成が挙げられます。
◆考えられるブログテーマの例
SNSなどで流行っている(バズっている)振り付けを分解して解説
ダンスのステップ等についての解説
各ジャンルの歴史や文化、成り立ちについて
世界的にメジャーなダンスのイベントに関する記事 等
また、コンテンツとしてはブログではあるものの、今回のダンススクールという商材を鑑みると、一般的なブログのようなテキストのみの形式ではなく、文章の間で動画コンテンツもあわせて掲載することも有効であるといえます。
そのため、例えばダンスのステップ解説の記事であれば、講師による数十秒程度のお手本動画を挿入する、といったものが挙げられます。
上記でご紹介したような施策で集客拡大を図り、サイトの流入を獲得できるようになったら、獲得したユーザーをサイトのCVである体験レッスン申し込みまで繋げられるようにする、すなわちCV向上のための施策を行うことが必要になってきます。
そこで、サイトがユーザーの欲しい情報にアクセスしやすい作りになっているか見直し、必要であればサイトのリニューアルを行うことも検討する場合があります。
今回のターゲットユーザーは20代後半~30代後半の女性で、仕事帰りや休日に通うことを検討しているという前提を考えると、まずは「何時までやっているか、仕事終わりの夜の時間帯でも開講しているか」「どこでレッスンを行っているか」という情報は需要が高いと考えられます。これらの情報をすぐに見つけやすい箇所に設置すると良いでしょう。
たとえば、現状はTOPページの下部に設置されていて、かなりスクロールしないと情報にたどり着けない状態になっているのであれば、「開講スケジュールページ」や「アクセスページ」といった、別途新規ページを作成して、ページの上部にリンクを設置して1クリック(スマホであれば1タップ)でたどり着けるようにすることを推奨します。
さらに、今回のターゲットはダンス未経験の初心者を想定しています。「一度体験に行ってみたいが、何が必要なのか、当日どういう流れでレッスンを受けるのか分からない」というユーザーが多いと考えられるため、そのようなユーザーに向けて、体験レッスンを受ける流れを説明したページを作成することで、申し込みまでのハードルを下げられる可能性があります。
実際に体験レッスンに申し込みたいとユーザーが考えた時に、申し込みフォームはサイト内の見つけやすい場所に、見つけやすいボタンとして設置されているか確認しましょう。
また、申し込みフォーム内は入力項目が煩雑になっていないかといったポイントも見直します。
せっかく体験レッスンへのニーズが生まれたとしても、申し込みフォームが見つけづらかったり、あまりにも入力項目が多く煩雑だったりすると、ユーザーが離脱しやすくなり、CVの機会を損失することにつながります。
さらに、最終的なCVは体験レッスンへの申し込みですが、それではまだハードルが高いと考えるユーザーに向けて、マイクロCVとして資料ダウンロードを設定します。
その場合、資料請求のフォームは体験レッスン申し込みのフォームと分けて設置されているか、そしてその導線は体験レッスン申し込みフォームと同様、分かりやすいところに設置されているか、今一度確認し、課題があれば改修を行うと良いでしょう。
以上が、WEBでダンススクールの集客を行うための施策例のご紹介でした。
WEBでの最終CVである体験レッスン申し込みを増やすためには、流入数拡大の面においても、CVの向上の面においても「ユーザーにとって有益な情報がサイトに過不足なく、見やすく盛り込まれているか」が重要な要素となります。
そのためには、ターゲットユーザーを明確にするという工程はしっかり行う必要があるでしょう。ターゲットユーザーのイメージを確立することで、「ユーザーにとって有益な情報とは何か」が見えてくるでしょう。
それを踏まえた上で、対策キーワードの設計や導線の分析を行うと、より効果が見込める可能性があります。
センタードは、WEBコンサルタント×WEBディレクターが連携し、『貴社のビジネスを成功に導く』サポートをします。WEBマーケティングに関してお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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