更新日: 2024.09.02
近年では企業が自社のWEBサイトを持っていることは珍しくなくなっています。
プログラミングの知識がなくても簡単にWEBサイトを制作することができるようになり、とりあえずWEBサイトを立ち上げたものの、十分なノウハウがなく、その結果、自社のアピールをする、といった点でなかなかうまく活用できていない…という課題を抱えている企業も少なくないのではないでしょうか。
今回は、企業が自社の強みをWEBサイトで表現する方法について解説していきます。
目次
デジタル時代となった現代、顧客が企業を知る最初の接点はWEBサイトであることが非常に多くなりました。
誰もがインターネットを利用して自分の求める情報を検索していますし、広告で知った商品や企業について検討するときにもWEBサイトを閲覧しているでしょう。
企業がWEBサイトを持つことは顧客との接点を増やすだけでなく、競合に勝つためにも重要なのです。
企業が自社のWEBサイトを持つ場合、自社の強みを適切に表現することが大切です。
顧客がWEBサイトを見たときに強みがわからないと離脱の原因になることがあります。
しかし、競合よりも優位に見せる目的で誇大な表現をしてしまうこともよくありません。
クレームの原因になるだけでなく、本来ターゲットではない層にもアプローチを広げた結果、受注率が下がって営業活動の効率を下げる原因にもなる可能性があります。
あくまでも自社の強みを適切に表現することを心がけ、自社がターゲットとしている層が見たくなるWEBサイトを制作しましょう。
自社の強みを表現するためには、まず自社の強みがどこにあるのかを明確に理解しておく必要があります。
経営者や担当者一人の視点で考えると、客観性を失ってしまうことがありますので、いろいろな立場の意見を取り入れて考えることが大切です。
具体的な方法をご紹介します。
社員を集めて社内ワークショップやブレインストーミングを実施してみましょう。
このとき集める社員は、なるべく異なる部署から選ぶと意見の偏りをなくしやすくなります。
模範的な正解があるものではないので、良し悪しは一旦置いておき、たくさんの意見を出し合うことで徐々に強みが明確になっていくでしょう。
顧客や取引先からのフィードバックを収集して参考にすることで外部から見た自社の強みを知るのに有効です。
BtoC企業は一般消費者だけが顧客と考えてしまうかもしれませんが、取引先の企業も立派な顧客です。
社員の視点よりも客観的な意見を知るために、顧客や取引先からのフィードバックを役立てましょう。
競合他社と自社との違いを明確にすることも重要です。
自社の強みだと思っていたことでも、競合他社が同じように持っているものであればそれは強みとは言えなくなってしまいます。
「顧客はなぜ自社の商品を選ぶのか?」という視点で競合他社が持っていない自社だけの違いを明確にしてみましょう。
WEBサイトの中身をしっかりと見てもらうためには、コンテンツの質が必要です。
WEBサイトに訪問してくれた人が自然と隅々まで見たくなるようなコンテンツを目指しましょう。
強みを伝えるときはストーリーテリングで伝えましょう。
ストーリーテリングとは、物語を聞かせるように伝えることです。
自社の強みを数値にまとめた表を載せることは確かに簡潔で正確かもしれませんが、人々が企業に魅力を感じるのは、数値ではなく企業が語るストーリーであることが多いのです。
商品や社員について、会社の理念について、お客さまについてなどをストーリー仕立てにして掲載しましょう。
コンテンツは文字だけでなく、画像や動画を交えて作成しましょう。
文字ばかりですと見るのに疲れてしまいますし、画像や動画を使うことで表現力を高めてより多くのことを伝えることができます。またはインフォグラフィックを用いて図解を行うのもよいでしょう。
WEBサイトではユーザーが求めている情報を提供しましょう。
自社が伝えたいことを優先してしまいがちですが、WEBサイトのコンテンツも商品と同じくユーザーの求めているものでなければ見てもらうのが難しくなります。
WEBサイトのデザインは企業ブランディングの観点でとても重要です。
企業イメージとしてどんなものを目指しているのかを考えてデザインに反映させていきましょう。
サイトデザインとブランドイメージを一貫させることでブランディングの強化に繋がります。
例えば、商品の使いやすさが自社の強みであるなら、WEBサイトも使いやすさやわかりやすさを重視したものにするとブランディングとして一貫性が出ます。
あるいは最先端の技術を取り入れているなら、WEBサイトも未来を感じさせる洗練されたデザインが良いでしょう。
自社の強みとサイトデザインの食い違いをなくすことが大切です。
サイトデザインでは色彩・フォント・レイアウトのひとつひとつが大きな影響力を持ちます。
ネイビーやダークグリーンのような落ち着いた色は見る人に信頼感を与えますし、やわらかい書体のフォントを使うことで親しみやすさを感じさせるようになります。
それぞれの要素の組み合わせ方によっても印象が変わりますので、どの要素を選ぶかはすぐに決めるのではなく、いろいろなものを試しながら決めていくことが大切です。
競合他社が作っていないクリエイティブなデザイン要素をWEBサイトに入れることで、訪問者の目を惹いて長く滞在してもらえるようになる可能性があります。
ただし、デザインを気にするあまり内容が見づらくなると効果が下がってしまいますので、このあたりの調整は自社だけで考えるのではなく、デザインのプロに相談してみるのも有効です。
ユーザーエクスペリエンスとは、UXとも言い、WEBサイトでの体験を指します。
コンテンツの中身だけでなく、ユーザーの体験全体を考えてみましょう。
WEBサイトのナビゲーションはシンプルかつ直感性の高いものにしましょう。
ナビゲーションがわかりづらいとユーザーにストレスを与えて離脱の原因を作ってしまう可能性があります。
WEBサイトはスマートフォンで見ることを前提に作りましょう。
ユーザーはパソコンよりもスマートフォンでWEBサイトを閲覧することが増えており、モバイルで見づらいWEBサイトは離脱率が上がりやすくなってしまいます。
読み込み速度や文字サイズなどもユーザーエクスペリエンスに大きな影響を与えます。
ユーザーのストレスになる要素をなくしていくことがユーザーエクスペリエンスの最適化への近道です。
WEBサイトの目的は、ユーザーに行動を起こしてもらうことです。
行動を起こしてもらうには、CTAと呼ばれるユーザーに行動を促す要素を最適化していきましょう。
WEBサイトの目標が資料請求である場合、一般的な情報よりも専門的な内容が掲載されているページを閲覧しているユーザーは、資料請求に関心を持ちやすい傾向があります。
したがって、自社の強みを最も効果的に伝えるページに、資料請求を促すCTAを配置することが重要です。
例えば、専門学校のWEBサイトであれば、学校のプログラムや教育内容について詳細な情報を提供するページに資料請求ボタンを配置することで、興味を持った訪問者がスムーズに資料請求を行いやすくなります。
このように、CTAの配置はユーザーのニーズに合わせ、自社の強みを最大限に生かす戦略の一環となります。
WEBサイトの訪問者を貴重なリードに転換するためには、WEBサイト全体の戦略的な構造が重要です。そのために、以下のポイントを考慮しましょう。
まず入り口として、訪問ユーザーの注意を引くコンテンツを提供することが重要です。これは、魅力的な見出し、引用、または問題提起の形で表現されることがあります。例えば、教育機関のWEBサイトでは、学生にとって魅力的な学習プログラムやキャリアの機会に関する情報がフックとなります。
興味を引いたユーザーをリードに転換するために、情報の提供を段階的に行いましょう。最初に基本情報から提供し、その後で詳細情報や資料請求の機会を提供します。例えば、初めに学校の特徴やプログラムの概要を提供し、興味を持った訪問者に対して資料請求フォームへ誘導します。
サイト内導線の最適化は、訪問者がスムーズに情報を見つけ、行動を起こしやすくすることでリード獲得の向上に繋がります。導線最適化のためには、メニューの配置やリンク構造を工夫します。このような導線作りは、訪問者がWEBサイト内で深く探索し、最終的に行動に移りやすくする重要な要素です。
WEBサイトは制作したらそのまま放置するのではなく、定期的に改善を繰り返しましょう。
検索エンジンは評価の基準を随時アップデートするため、特に大きなコアアルゴリズムアップデートの際には検索結果の順位が大幅に変わる場合があります。そのアップデートに適したコンテンツ改修を行うことで、SEO的に上位表示を獲得しやすくなり、結果として、サイトへの流入数増加に繋がります。
また、ユーザー目線で考えると、リピートユーザーにとっては、新規の情報が随時入手でき、また、新規来訪ユーザーにとっても、定期的に更新がなされているということで信頼性の向上に繋がり、結果としてエンゲージメントの向上に繋がりやすくなります。
更新と分析を行うためには、分析の基盤を整えることで改善のサイクルが回しやすくなります。
WEBサイトの成果を把握し改善するためには、ユーザーの行動を細かく追跡し分析することが重要です。そのために、アクセス解析ツールやヒートマップツールの導入が役立ちます。
例えば、Googleアナリティクスは、WEBサイトへの流入やエンゲージメントに関する数値を分析できるツールです。これにより、どのページが最も訪問されているか、ユーザーが滞在する時間、コンバージョン率などを把握できます。
またヒートマップツールは、WEBページにおけるユーザーのクリック位置やスクロールの深さを可視化し、どのコンテンツが注目されているかを理解するのに役立ちます。これらのツールを導入することで、ユーザーの行動や好みを把握し、WEBサイトを改善する方針を立てやすくなります。上記のツールに関しては、無料で利用できるものもあるため、導入コストを気にせずに活用できます。WEBサイトのパフォーマンス向上に向けて、ユーザーの行動を詳細に分析するツールの導入は、PDCAサイクルを回す際に非常に有益であると言えます。
成果測定と改善のルーチンを確立してPDCAサイクルを回せる体制を作ることを目指しましょう。
WEBサイトの改善は時間がかかるものですので、1歩ずつ徐々に改善を重ねることが大切です。
WEBサイトは自社の強みを効果的に伝える手段としてとても大切です。
立ち上げたままやりっぱなしになっていると機会損失が大きくなってしまいますから、継続的な改善と最適化を繰り返してリード獲得増加を目指しましょう。
いかがでしたでしょうか?皆さんにとって有用なコンテンツとなっていれば幸いです。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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