更新日: 2024.09.02
「301リダイレクトと302リダイレクトはどう使い分ければ良い?」
「検索結果の掲載順位やページ権威への影響はどれくらいある?」
上記のような疑問や悩みを持つ方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
リダイレクトは、サイトやページなどを新しいURLに変更した際、自動的に転送をする仕組みです。一般的には「301リダイレクト」と「302リダイレクト」の2パターンを使います。
設定の仕方で、SEO対策にも影響がありますので、適切に設定することが必要とされています。
使い方を間違えると利便性が低下したり、検索順位に影響を及ぼす可能性もあるので、注意が必要です。
この記事では、301リダイレクトと302リダイレクトの基本的な違いや、それぞれどのように使用するべきかについて解説します。
サイトのリニューアル時や、ページのURLを変更した際の参考にして頂ければと思います。
目次
リダイレクト(転送)は、変更したページのURLにアクセスしたユーザーを、新しくなったページのURLにリダイレクト(転送)することを目的として設定します。
301リダイレクトとは、WEBページが恒久的に変更したことを示すために使用される転送設定のことです。恒久的という言葉ではわかりにくいかもしれませんが、対象ページが元のURLに戻ることはない(永久的に新しいURLになる)場合に設定するものになります。
また、SEO対策の一環として実施することも多く、301リダイレクトを設定することで、検索エンジンに対して古いURLから新しいURLへの検索エンジンからの評価を引き継ぐように伝えています。
これによりSEOパフォーマンスが維持されるため、サイトリニューアルやURL変更時、ドメイン変更時には必ず設定することが大切とされています。
例として、example.comからexample.netへの完全な移行が挙げられます。301リダイレクトには、サーバーサイドとクライアントサイド(ブラウザ)の2種類があり、基本的にはサーバーサイドリダイレクトが推奨されています。
302リダイレクトとは、WEBページが一時的に変更したことを示すために使用される転送設定のことです。対象ページが元のURLに戻る可能性がある場合に設定するものになります。
302リダイレクトを行うことで、元のURLが変更されないこと(一時的な転送であること)を検索エンジンに伝えます。元のURLで蓄積したSEOの評価が転送先のURLには引き継がれません。
302リダイレクトは、サイトのメンテナンスや限定的なプロモーションの際に使用されます。たとえば、製品の特別セール中にメインページをプロモーションページに一時的に変更する場合に利用するなど様々な場面で利用することがあります。
転送設定の転送コードの違いとなりますので、ユーザビリティとしては同じ挙動をします。
主な違いは、301リダイレクトは恒久的な転送設定。302リダイレクトは一時的な転送設定を示します。それぞれ検索エンジンに対しての指示が違うというものになります。
301リダイレクトは、元のURLで蓄積したSEOの評価を、新しいURLに引き継ぎますが、302リダイレクトは元のURLにそのまま保持します。
そのため、301リダイレクトを適切に使用することで、検索エンジンでのページの評価を維持させることが可能です。
サイトのURLを恒久的に変更する場合(今後URLが新しいものに変わる場合)、301リダイレクトでユーザーや検索エンジンに対し、新しいURLに誘導します。
たとえば、リニューアルに伴うURLの変更や、ドメイン名の変更、サイト構造の大幅な再編時には301リダイレクトの設定は必要不可欠です。
サイトの構造上、同一のURLが複数存在する場合があります。
たとえば、
/example
/example/
/example/index.html
/example/index.php
の様に、どういったページでも複数URLが存在することがあります。
こちらをすべて1つのURLにリダイレクト(転送)するように設定しておく必要があります。それをURLの正規化と言います。
今回のものでいうと、すべて
/example/
の /(スラッシュ有)のURLにリダイレクトすることで、1つのURLに集約することが大切です。
一時的なページの移動や特定の条件下でのURLの変更には302リダイレクトが適しています。
たとえば、サイトのメンテナンス時に一時的に別ページへ誘導したり、ユーザーの言語設定に基づいて異なる言語バージョンのページを表示したりする場合などです。
サイトのメンテナンスやページの更新中に、ユーザーを一時的に別のページに誘導する必要があるとき、302リダイレクトが役立ちます。
これにより、ユーザーを離脱させずにサイトの更新ができます。
ユーザーが使用するデバイスや位置情報に応じて、最適なページを提供したい場合に302リダイレクトを利用します。ユーザーにとって、最も関連性の高いコンテンツを提供することが可能です。
ABテストでは、異なるバージョンのページを一定期間試すことがあります。この場合、302リダイレクトを使用してユーザーをテスト中のページに一時的に誘導することが可能です。これにより、最終的な改善点を決定するためのデータが収集できます。
301リダイレクトは、古いURLから新しいURLへの信頼性や検索エンジンからの評価を引き継ぐことができるため、SEOにとって非常に有利です。適切に使用された場合、サイトの可視性や検索順位を維持することも可能です。
一方で、302リダイレクトは一時的なものと見なされるため、検索エンジンからの評価の引き継ぎは行われず、使用する場面を慎重に選ぶ必要があります。
長期間302リダイレクトを使用し続けると、検索エンジンが一時的な移動としてではなく、恒久的なものと解釈する可能性があり、SEOに悪影響を及ぼすことがある点にも注意が必要です。
301リダイレクトが推奨されることも多く、特にGoogleはサーバーサイドリダイレクトが推奨されています。正しい場面で適切なリダイレクトを選択することが、サイトのSEO戦略において重要です。
Apacheサーバーでは、.htaccessファイルを使用してリダイレクトが設定できます。
301リダイレクトを設定するには、Redirect 301 /oldpage.html http://www.example.com/newpage.htmlのように記述してください。
302リダイレクトの場合は、Redirect 302 /oldpage.html http://www.example.com/newpage.htmlと記述し、一時的なリダイレクトを設定することができます。
PHPを使用している場合、ページの先頭にリダイレクトコードを挿入することで、301または302リダイレクトを実装できます。
301リダイレクトは、
header(“Location: http://www.example.com/newpage.html”, true, 301);
のように設定しましょう。
302リダイレクトは、
header(“Location: http://www.example.com/newpage.html”);
と記述することで設定できます。
PHPのheader関数を使用することで、動的にリダイレクトを制御することが可能となります。
リダイレクトは何度設定しても問題ない?
リダイレクトは適切に使用されるべきで、過度に多用するとWEBサイトのロード時間に影響を及ぼしたり、検索エンジンのクローラーがサイトを効果的にインデックスできなくなる可能性があります。
どうしても必要であれば何度も設定できますが、Googleのクローラーは10回まで追跡するとしています。ページの表示速度にも悪影響がでるため、いずれにせよ多すぎるリダイレクトは控えることを推奨します。
また、転送設定を多く実施することで設定ミスなどの可能性も増加してしまいます。
問題の一例となりますが、リダイレクトループが発生してしまうと、ユーザーのブラウザ上でエラーとなってしまうこともありますので、設定した後は、必ず適切に設定されていることを確認するようにしましょう。
一時的な転送に301リダイレクトは設定できない?
301リダイレクトは、恒久的なURLの移動を示すために設計されています。一時的な目的で301リダイレクトを使用すると、検索エンジンが変更を恒久的なものと解釈し、元のURLへ戻した際に検索エンジンでの検索結果に影響を及ぼす可能性があります。
一時的な移動の場合は、302リダイレクトを使用するのが適切ですので、状況に合わせて正しい設定方法を選択することが大切となります。
301リダイレクトと302リダイレクトは、サイトリニューアル時やWEBサイト運用において、非常に重要な対応となります。
URLが完全に変更になる場合は301リダイレクト。
URLを一時的に変更するだけの場合は302リダイレクト。
これらを覚えて、サイト運用時やリニューアル時には適切に設定出来るようにしましょう。
転送設定は適切に設定することで、ユーザーにも検索エンジンにも親切な設計となります。
各特徴を理解し、目的に応じて正しく設定することが重要です。
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監修者プロフィール
木島 怜史
株式会社センタード WEBマーケティング本部 エキスパート
前職のWEB営業経験を経て、株式会社センタード入社。現在WEBマーケティング本部にて技術統括。 WEBマーケティングの全体戦略設計からWEB広告、SEO、WEBサイトの課題抽出・改善立案までを管轄。 顧客目標としてWEBの目標達成はあくまで通過点と捉え、部分最適化、全体最適化を経てビジネス改善を目指す。 Web Designing誌に「ユーザーの行動特性を捉えたイベント集客施策」「Web戦略全体の視点から広告予算を考察」など寄稿。 「WEB改善の流れがわかる!目標設定とPDCAの考え方講座」など多数のセミナー講師も務める。 ウェブ解析士、GAIQ、Google広告等各種資格保有。業界歴10年以上。
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